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米国では、金融危機の大きな要因となった大手銀行が救済された。その間、一般市民は取り残され、自力で立ち直ることを強いられた。

そした今、また同じことが繰り返されようとしている。きちんとした経営体制がなく、役員が私腹を肥やすことを許した大企業に、巨額の税金が渡されているのだ。銀行や大企業の支援に数兆ドル(数百兆円)が費やされる一方、平均的な人が受け取るのは約1200ドル(約13万円)と、失業給付に600ドル(約6万5000円)が4カ月間上乗せされるだけだ。

景気刺激策の一部だった給与保護プログラム(PPP)は、小企業が危機の間も操業を続け、従業員を雇用できるようにするためのものだ。だが、新型コロナウイルスによる閉鎖措置で影響を受けた小企業に支給されるはずだった3500億ドル(約38兆円)は、なぜか大企業の懐に入ってしまった。

用意された額の4分の1以上が、全体の2%以下の企業に給付された。シェイクシャックやルースズ・クリス・ステーキハウス、ポットベリー、タコ・カバーナといったレストランチェーンを展開する上場企業を含むこれらの企業は、返済が免除されるローンとして1000万ドル(約11億円)を受け取った。(シェイクシャックは返済を申し出ている)

また、数十億ドル(数千億円)の寄付金を集めるハーバードやプリンストン、エール、スタンフォードなど米アイビーリーグの大学は、コロナウイルス支援・救済・経済保障(CARES)法の基金から約2500万ドル(約27億円)を受け取った。

ブランソンは、とても人当たりが良く、カリスマ的な人物としてのイメージを作ってきたが、だからといって、個人所有する島でジェットスキーやカイトサーフィンを楽しむような大富豪に数十億ドルを支給して良いことにはならない。英国とオーストラリアの政府はなぜ、緊急時のための貯金箱の役割を果たさなければいけないのか?

会社はそのまま倒産させるべきなのではないだろか? そうした企業は、債権所有者が経営権を握るか、もしくは未公開株式投資会社や企業買収を計画する他企業が買収するかもしれない。厳しく聞こえるだろうが、一般市民が経済的に困窮している中で、企業が政府にへつらい、再建のために数百万ドル(数億円)を求めることはできないのだ。

救済措置を講じれば、悪い習慣は永遠に続いてしまう。慢心した企業の破綻を救い続けていたら、会社側はその悪習を変える必要を全く感ず、大当たりを期待して無謀な賭けに出続けることになる。賭けが正しければ大金が稼げるし、間違っていても心配する必要はない。政府のお父さんお母さんが救ってくれるのだから──。

編集=遠藤宗生

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