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Photo by Andrew Chin/Getty Images

ランジェリー・ブランド「ヴィクトリアズ・シークレット」の株式の過半数を取得するとしていた米投資会社シカモア・パートナーズが、その取引から手を引こうとしていることが明らかになった。

シカモアが4月22日に裁判所に提出した文書によると、株式取得に関する合意を破棄する理由は、ヴィクトリアズ・シークレットの経営権を持つ米Lブランズが合意の条件に違反したことだ(Lブランズの傘下には、若い世代向けの下着ブランドPINKや、ボディケア商品を扱うバス&ボディー・ワークスなどもある)。

シカモアは今年初め、ヴィクトリアズ・シークレットの株式の55%を取得することで合意。その際には、ヴィクトリアズ・シークレットの価値を11億ドル(約1180億円)と評価していた。

過半数株式の譲渡は、50年以上にわたってヴィクトリアズ・シークレットの経営を担ってきた創業者で最高経営責任者(CEO)の富豪、レス・ウェクスナーがその立場を退くということでもある。

シカモアが株式取得に関する合意内容への違反として挙げているのは、Lブランズによるヴィクトリアズ・シークレットなどの店舗の閉鎖と、従業員の一時帰休。

新型コロナウイルスの感染拡大を抑制するための措置として、米国とカナダでは3月中旬以降、生活必需品以外を取り扱う小売業者は大半が、店舗の一時閉鎖に追い込まれている。

シカモアはまた、ヴィクトリアズ・シークレットが店舗で季節外れの商品の販売を続け、新商品の仕入れを抑えたことが原因で、「ヴィクトリアズ・シークレットのビジネスに重荷を負わせ、価値を大幅に低下させた」と指摘している。

シカモアによれば、株式取得の条件には、Lブランズが「従来の慣行に沿い、通常どおりに事業を行う」ことが含まれている。そのため、ヴィクトリアズ・シークレットのこうした行動は、合意内容に対する違反に当たるという。

Lブランズに宛てた手紙のなかでシカモアのステファン・カルズニー社長は、「残念ながら、Lブランズは数えきれないほどの形でこれ(従来の慣行に沿うこと)に違反しており、それによってヴィクトリアズ・シークレットの事業に著しく、修復不可能なほどの損害を与えた」と述べている。

さらにシカモアは、新型コロナウイルスの感染拡大の影響は何の言い訳にもならないとしている。

「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミックは国際的な惨事であり、衛生上の緊急事態を引き起こしていることは認識している。だが、われわれはそれと同様に、パンデミックは売買契約におけるLブランズの履行義務を免除するものではないと確信している」

一方、Lブランズ側は、合意を廃棄しようとするシカモアの試みに効力はないとの考えだ。発表した声明のなかで、合意した取引の実行に向け、あらゆる法的手段を講じる構えをみせている。

シカモアが裁判所に文書を提出した22日、Lブランズの株価は一時、20%以上急落した。

編集=木内涼子

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