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2015.04.13 15:03

「女の給料は安すぎる」論争がアメリカで勃発

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3月に放送された米人気テレビ番組「ザ・デイリー・ショー」で、司会のジョン・スチュワートは女性政策研究所(IWPR:注)による新しい研究結果を紹介した。それによると、女性が男性と同等の給料をもらえるようになるのは、43年後の2058年とのこと。これに対しコメンテーターのクリステン・シャールはこんな冗談を飛ばした。

「空飛ぶ車の発売が始まるのが2017年。火星旅行が可能になるのが2030年。3Dプリンターが人間の心臓を作り出す予定が2025年。それよりもずっと遠い未来なのね」

IWPRは米国50州の男女間の給料格差を調査。それによると、男女差が最も大きいのはワイオミング州。女性が男性と同じ給料を得るようになるのに144年かかるそうだ。2番目以降は、ルイジアナ州の91年、ノースダコタ州の89年と続く。

IWPRはワシントンDCのシンクタンクで、国勢調査のデータや過去の女性賃金上昇率を元に、将来を予測した。男女間の賃金格差が縮まる度合いは州や人種、教育レベルによって大幅に異なるという。

東海岸の女性は比較的、男性と同等レベルの賃金を稼いでいるようだ。ニューヨーク州は最も男女間の給料差が低く、男性1ドルに対して女性が87.6セント。そして、メリーランド州が87.4セント、ワシントンD.C.が87セントと続く。IWPRによると、2038年にはフロリダ州の女性が男性と同じ額の給料を手にするそうだ。そして2042年には、カリフォルニア州とメリーランド州が後に続くと予測している。

人種ごとに見てみると、ヒスパニック系が最も男女間の格差が大きい。ヒスパニック系女性は男性の53.8 % の収入しか得ていないという。

女性たちにさらに驚きと失望をもたらすデータがある。現在の米国では男性よりも女性の方が大学進学率は高いが、男女間の給料差は、学歴が高い人たちの間で最も高いのだ。大学院で学位を取得した女性は、同じ学歴の男性の69.1%しか稼いでおらず、学士号取得者の場合も、71.4 %と似たような数字だ。

これらのデータについて、IWPRは「女性が男性と同等レベルの給料を得るためには、男性よりも高い学歴を持っていなければならないことを示している」とコメントしている。

しかし、いいニュースもある。ここ30年、インフレを考慮した上での男性の年平均収入が50,096ドルから50,033ドルと伸び悩む一方で、女性の収入は30,138ドルから 39,157ドルに上昇しているのだ。

明るいニュースはもうひとつある。一般的にミレニアル世代と呼ばれる年齢層(ここでは2013年時点で16~34歳のグループ)では、男女間の収入差が少ない。この世代の女性は現在、男性の85.7% の収入を得ているが、この差はさらに縮まると予想されている。ミレニアル世代の男性は4人に1人が管理職だが、女性は3人のうち1人が管理職クラスで働いているからだ。

IWPRの発表は、政府のデータを念入りに調査した結果だが、見落としているポイントもある。労働時間や職業経験の深さ、そして最も重要だと思われる「女性がどのような職業を選んでいるか」という点だ。

例えば、高給取りと言われるSTEM(科学、テクノロジー、エンジニアリング、数学の頭文字)分野で働く女性は男性に比べて圧倒的に少ない。同調査によると、たったの28.8%という数字になっている。

また、勤務時間も考慮すべきだろう。夕方5時45分に職場を離れて、子供を迎えに行き、子育てと料理をこなす40歳の女性ソフトウェア開発者は、同じ会社で夜10時まで働く男性社員とは、収入に違いが出るはずだ。IWPRは、これらの状況もきちんと考慮した数字を発表すべきだという指摘も出ている。

同じ仕事内容でも、男性の方が格段に収入が高いことを示す、別の調査結果も出ている。米国の医師会の雑誌JAMAは1988年から2013年の間に登録された看護師29万人のデータを分析した。それによると、心臓病関連の病棟で働く男性看護師は女性看護師よりも年平均で6,000ドル収入が高かった。糖尿病や喘息患者の病棟で働く看護師の場合も、3,800ドルの差があった。さらに、麻酔科の男性看護師の年収は、女性看護師より17,290ドル高いことが分かった。

なぜ、いつまでたっても収入差が縮まらないのか。一般的に「女性は男性よりも、職場で昇給を頼みにくい」というデータもあるが、例えば、看護師のような職業では、残業によりかなりの収入を加算することが可能だ。

しかし、そんな職場でも女性看護師は家族の世話のために仕事を休むことが多く、その結果として、収入増を難しくしているとも考えられる。とは言うものの、それだけで麻酔科の例のような大きなギャップが生じるとは考えにくい。

そこにはやはり、性差別が存在しているのではないだろうか。女性の収入が男性に追いつくのに43年もかかるかどうかは疑問だが、男女間の格差の存在は明らかであり、改善には長い時間がかかるだろう。

※IWPR(女性政策研究所):Institute for Women’s Policy Research 。女性の地位向上を目指し、政策や各種統計を分析する非営利組織。

文=スーザン・アダムス( Forbes)/ 編集=上田裕資

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