宇宙x食の未来構想 JAXA共創プログラム「SPACE FOODSPHERE」が始動

リアルテックホールディングス(以下:リアルテックHD)と国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構(以下:JAXA)が、JAXA宇宙イノベーションパートナーシップ(J-SPARC)*1の一環として、約50の参画メンバーと共に取り組んできた宇宙食料マーケット創出プログラム「Space Food X」を、更なる活動の拡大に向けて「SPACE FOODSPHERE(スペースフードスフィア)」プログラムへと発展させる。

また、「Space Food X」の主要メンバーが発足メンバーとなり、プログラムにおいて産学官の有機的な連携を促進する一般社団法人「SPACE FOODSPHERE」を設立した。

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「Space Food X」から「SPACE FOODSPHERE」へ


「Space Food X」は、日本発の優れた技術や知見、食文化を最大限に活用し、宇宙と地球の共通課題である「食」の課題解決を目指す共創プログラムとして、2019年3月に始動し、約1年間の活動を推進してきた。

「Space Food X」の始動以降、人類の宇宙への生存圏拡大に向けた宇宙活動が益々活発化する一方、地球では「食」に関連した目標を含むSDGs(持続可能な開発目標)達成に向けた取り組みが一層の拡がりを見せているが、国連はその進捗の遅れと危機感を表明している。また、大規模な自然災害やパンデミックに伴う閉鎖隔離環境における「食」の課題も顕在化している。

このような地球や人類にとっての大きな転換期において、地球と宇宙の共通課題としての「食」の重要性を再認識すると共に、宇宙という極限的な環境での生活を想定し、地球や私たちの暮らしを「食」をコアとしてゼロベースで捉え直すことが極めて重要であり、活動を拡張していく必要がある。この考えをもとに、「Space Food X」は、「SPACE FOODSPHERE*2」プログラムへと進化する。このプログラムは、引き続きJ-SPARCにおける新規マーケット創出活動の一環として取り組む。

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SPACE FOODSPHEREの概念図

「Space Food X」の検討成果と今後の取り組み


1. 地球と宇宙の共通課題を解決する食の未来構想

月面や火星などの宇宙における長期的な暮らしを想定した場合、限られた資源の中で生活をする必要があり、食料や資源、最前線に立つ人材の確保などが困難だ。また、宇宙における基地内の閉鎖隔離空間は心身の健康問題やコミュニティの重大な課題が生じやすい環境にある。

一方、地球上では人口増加や資源の濫用によって、食料危機や資源の枯渇、生物多様性の低下が深刻化している。災害やパンデミック時の閉鎖隔離環境における心身の健康問題やコミュニティの課題なども大きな問題となっている。

このように地球と宇宙では「食料不足」「資源不足」「生物多様性」「閉鎖隔離環境のQOL」「人材不足」という「食」に関連した重大な共通課題が存在している。

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地球と宇宙の食の共通課題

「SPACE FOODSPHERE」プログラムでは、「Space Food X」で整理した地球と宇宙における「食」の共通課題の解決に向けて「完全資源循環型かつ超高効率な食料供給システム」と「閉鎖空間のQOLを飛躍的に高める食のソリューション」という2大テーマのソリューションを創出し、地球と宇宙双方での社会実装を推進する。

これらのソリューションを社会実装し実現を目指す超長期シナリオとして、2030年にはSDGsの食の課題解決に貢献、2040年には月面1000人の長期滞在の実現に貢献し、超長期的には惑星移住と地球環境の劇的回復を目指す。このような「食」の課題解決による未来構想の実現を通じて、困難な課題に取り組む姿勢を次世代に受け継いでいくことで、真にサステナブルでWell-beingな人類の未来社会の構築に貢献する。

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超長期シナリオ
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PR TIMESより

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