ビジネス

2020.04.30 08:00

チームのリモートワークを成功させるための「共感のエクササイズ」

(c) IDEO Tokyo


ビデオ会議を見直そう


リモートワークに不慣れなチームでは、これまでの全ての対面ミーティングをビデオ会議でやろうとしてしまいがちだ。しかし、立て続けにビデオ会議に参加するのは、対面ミーティングで同じことをやるよりずっと疲れる。
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次の会議をセットする前に、それが本当に必要か考えてみよう。会議の目的は? 他のやり方でその目的を達成することはできないだろうか? 本当に参加する必要があるメンバーだけを召集しているだろうか?

内容によっては、会議の代わりに、共有したいアイデアや考えを書き出して、メールやSlackなどのツールで伝えた方が良いこともある。文字にすることで頭の中が整理され、簡潔な言葉を選ぶ余裕も生まれる。また、相手にあなたのメッセージを消化する時間を与え、相手にとって良いタイミングで返答してもらえる。こうしたやりとりは、より有意義なコミュニケーション、コラボレーションに繋がることが多い。


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それでもやはり会議が必要な場合は、最低限の時間を、最大限有効に使う工夫をしよう。会議というとデフォルトで1時間に設定しがちだが、ゴールを明確にし、事前にちょっとした準備をするだけで、15分、時には30分短縮できることもある。それによって、少し余裕を持って食事の用意をして食べたり、散歩に出て気分転換したり、大切な人と向き合う時間をとれるかもしれない。

リーダーも弱みを見せる


リモートワークを始めたばかりのチームのリーダーは、姿の見えない部下たちを信頼できず、マイクロマネージしがちである。しかし、働き方や業務内容を細かく管理しようとする上からのプレッシャーは、チームの士気を下げ、互いに不信感が募る原因になる。

この新たな状況下でもチームの成果を引き出すには、まずはリーダー自身がチームに対してオープンになり、信頼関係を築くことが大切だ。こういう時だからこそ、弱みをみせ、自分のこと、そして日々の生活などについてもっと話をすることで、部下も同じように自分たちのことをシェアできる関係を築く。

次に、余白をつくる。リーダーは今、あえてスローダウンする必要がある。メンバーが新たな日常に慣れ、そこに合わせる時間的な余白を与えるのだ。誰かが体調が悪くなったり、不測の事態が起こったりした際には、物事が遅れることも受け入れる。今は、人に必要以上のプレッシャーを与える時ではない。性善説を信じ、チームを信頼していると伝えよう。社員個人や、彼らの仕事の仕方ではなく、仕事そのものを評価しよう。

今在宅勤務をしている人の多くは、自分を証明するために、これまで以上に必死で働いている。チームの仕事の状況を理解するコツは、業務の進捗ではなく、皆が今「何を感じているか」を頻繁に確認することだ。相手が必要としていることと、成果を出すための能力のバランスを見極めるため、積極的に傾聴し、相手の様子を理解しようと努める。ゴールは社員を最大限活用することではなく、その人の一番良いところを引き出すことなのだから。
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文=ネイサン・パタソン(IDEO Tokyo ディレクター)

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