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数々の受賞歴をもつ、国際的なデザインコンサルティング会社

(c) IDEO Tokyo

新型コロナウイルスの影響で、日本でも急速にリモートワークが広がると同時に、多くの企業がコミュニケーションの課題に直面している。

これまで、在宅勤務は自ら選んでするものだったかもしれないが、今回はワケが違う。休校により子どもが側にいたり、一人暮らしで孤独だったり、それぞれが様々な事情を抱えている。こうした状況では、どんなに優れたツールを活用し、環境を整えたとしても、「人」を中心に考えなければ、個人もチームも早い時点で疲弊してしまうだろう。

IDEOは創業以来、「人への共感」を軸に、世界中で革新的なプロダクト、サービス、体験をデザインしてきた。このコラムでは、多様なチームがリモートワークで成果を出すために役立つ「共感」のエクササイズについて、同社日本オフィスのディレクター、ネイサン・パタソンがお伝えする。


私たちは、窮地に立たされているとき──それが今のようなパンデミックであれ、自然災害のときであれ──複雑さを増す問題に対して、今まで以上にクリエイティブなアプローチをとることが求められる。

IDEOは何かをデザインする際、かならず人を起点に考えてきた。人が置かれている状況、その言葉や行動の背景にあるもの、考え方、感じていることを理解し、相手に寄り添い、本人も気づいていない、または満たされていないニーズを探る。共感なきデザインは不毛だ。これは、ユーザーやクライアントに限った話ではない。自らの組織や働き方をデザインするときも同じである。

互いの境界線について話し、尊重する


これまで生活空間だった自宅が職場を兼ねるようになり、人によってはそこに子どもを含む家族もいるとなれば、どうしても「同時にいろんなタスクをこなさなければ」という衝動に駆られる。

米スタンフォード大学や、英ヨーク大学の研究によると、日常的にマルチタスクをしている場合、作業効率が落ちるだけでなく、IQが11%も低下することがわかっている。だが、脳に与える影響以上に大きいのは、同僚や家族との信頼関係への影響だ。

同僚とのミーティングのとき、子どもたちの遊び相手をするとき、パートナーの話を聞くとき。つい別のことをやりながら、考えながらになっていないだろうか? しかし、それは相手に伝わってしまいがちだ。決して容易でないことは二児の父である私もよく承知しているが、「今向き合うべきことに100%集中しよう」と努めることが、とても大切になる。

そのためには、物理的な空間と時間に境界線を設ける必要がある。パートナーや同居人がいてそれぞれ仕事をしている場合は、互いの予定を調整し、交代でやるべきことに集中する時間を作ろう。我が家のように、幼児〜小学生くらいの子どもがいる場合は、1日の終わりに、翌日の家族みんなのスケジュールを一緒に白い紙に書いてみると楽しいし、子どもたちの理解と協力も得やすい。



お互いの境界線と必要としていることを、同僚や家族と共有し、調整し合う。相手の状況を尊重し、柔軟に対応することで、相手もあなたのことを尊重してくれるようになるはずだ。

文=ネイサン・パタソン(IDEO Tokyo ディレクター)

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