AロッドとJ.Loのメッツ買収が実現しないと予想する4つの理由


第3に、元スター選手をパートナーとして担ぎ出し、富豪がチームを買収した最近の例としては、マイアミ・マーリンズがある。投資家のブルース・シャーマンは2017年、12億ドルで同チームを買収。デレク・ジーターにも少額の出資を求め、最高経営責任者(CEO)に据えた。だが、この買収交渉も、スムーズに進んだわけではなかった。

マーリンズは当時も成績が悪く、観客動員数はリーグ最低。スタジアムの命名権と試合の放映権から高額の収益を得ることを期待しているが、いまだ新たな契約の締結には至っていない。マーリンズのチーム価値は現在、およそ9億8000万ドルだ。

最後に挙げられる理由は、新型コロナウイルスのパンデミックによって、今シーズンの開幕が延期されていることだ。いつからシーズンが始まるのか、実際に開幕するのか、試合は無観客で行われるのかなど、未定のことが多い。

さらに、試合が無観客で行われることになった場合、オーナーたちは選手の年俸を削減するとしており、MLB選手会と対立しているとされる。スタジアムからの収益がなくなれば、MLBの年間収益およそ105億ドルのうち、半分近くが消えてしまうことになる。これに合わせて選手らの年俸を調整しなければ、リーグの収益性は低下を免れない。

メッツが本当に必要としているのは、膨大な金額を1枚の小切手に書き込むことができる1人の富豪だ──(今年2月初めまで26億ドルでの買収を目指していた)投資家のスティーブ・コーエンが、交渉のテーブル戻ることはあるだろうか?

編集=木内涼子

タグ:

ForbesBrandVoice

人気記事