AロッドとJ.Loのメッツ買収が実現しないと予想する4つの理由

Manny Hernandez/Getty Images

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メジャーリーグ(MLB)のヤンキースなどで活躍したアレックス・ロドリゲスが、ニューヨーク・メッツの買収を検討していると報じられている。米ヴァラエティ誌は4月21日、匿名の関係者からの情報として、次のように伝えた。

「ロドリゲスと婚約者で歌手・女優のジェニファー・ロペスが米金融大手JPモルガンチェイスとともに、入札に参加するため資金調達の準備を始めた」

だが、オールスターゲームにも出場した元スター選手が実際にメッツを買収することは、主に次の4つの理由からみて現実的ではないと考えられる。

まず、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的流行)の影響が広がるなかで、彼はどこから資金を調達するというのだろうか?企業価値も個人の資産も、大幅に縮小している。

ロドリゲスとロペスが保有する資産は合わせておよそ7億ドル(約754億円)とされる。これが事実だとしても、それは経済がメルトダウンする前の話だ。

また、2人の資産にどの程度の流動性があるのかという点も、同様に重要だ。ロドリゲスが主に不動産に投資していることを考えると、7億ドルのほんの一部という可能性もある。フォーブスの4月初めの推計によれば、3億5000万ドルの負債を含めたメッツのチーム価値は、およそ25億ドルだ。

ひょっとすると、ロドリゲスとロペスには合わせて2億ドルの現金があるかもしれない。だが、チームの買収に25億ドルが必要だとすれば、2人はおよそ20億ドルを調達する必要があるということになる。市場が現在のような状況のなかで──? 幸運を祈るというほかない。

第2に、メッツはパンデミックが起きる以前から、財政的に厳しい状況にある。本拠地シティ・フィールドの収益は、2019年まで3年連続で減少。今年の営業利益(EBITDA:税引前当期純利益+支払利息+減価償却費)もわずかといえる金額にとどまっている。

また、チームの年間損失額は5000万ドル近いとされている。20億ドルを調達して買収しても、そのすぐ後にまた、資金調達を行う必要に迫られるだろう。これは、難しい問題だ。
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編集=木内涼子

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