シャルドネ100%で表現するシャンパーニュ ブラン・ド・ブラン7選

テタンジェ「コント・ド・シャンパーニュ」


5. ライジングスター:シャンパーニュ・スェナン「C+C」


スェナン(Suenen)現当主のオーレリアン・スェナンは、2009年に家族代々の畑を引き継ぎ、シャルドネにフォーカスした注目の造り手だ。「C+C」と名づけられたシャンパーニュは、コート・デ・ブランの特級村であるシュイィ村(Chouilly)とクラマン村(Cramant)のシャルドネをブレンドして造られる。

シュイィ村のシャルドネは、クリーミーで柔らかく丸みのある果実が特徴。それに、クラマン村のシャルドネをブレンドすることで、ワインにパワーやスパイスのニュアンスが加わり複雑さが増している。



6. 爽快でピュア:シャンパーニュ・ピエール・ジモネ


ピエール・ジモネ(Pierre Gimonnet)は、コート・デ・ブラン地区の北部にあるキュイ村(Cuis)を拠点とする生産者だ。北や北東向きの畑から収穫されるキュイ村のシャルドネは、キレのある酸が特徴で、活き活きとして、しっかりした骨格のワインを生む。ジモネでは、ステンレス槽のみを使って醸造され、ワインには青リンゴやグレープフルーツのフレッシュでピュアな果実が表現されている。

また、家族が受け継いでいる畑には樹齢の高いブドウの木が多く植わっていて、それらのブドウは、ワインに凝縮さや複雑さを加える。当主のディディエ・ジモネは、「生牡蠣やお刺身に合わせても良いし、調和がとれているので食事中にも楽しんでもらえるのでは」と語る。


当主のディディエ・ジモネ氏(Didier Gimonnet)

7. パワーと重厚さ:シャンパーニュ・マルゲーヌ


マルゲーヌは、家族経営の生産者。現当主は4代目のアルノーで、娘のマチルドも、ワイナリーに参画し、次世代として活躍している。拠点を置くヴィレール・マルムリー村(Villers Marmery)は、ピノ・ノワールの銘醸地であるモンターニュ・ド・ランス地区の中にあり、以前はこの村にも多くピノ・ノワールが植わっていた。

第二次世界大戦後、大幅に植え替えが行われ、今ではシャルドネが大部分を占める。地元の人は、ここで育つシャルドネを「ピノ・ノワールの特徴が出る」と言うのが面白い。

「この村のシャルドネは、ボディや果実の厚みがあり、特にレモンやグラニー・アップルといった味わいが感じられます。私たちのシャルドネは、フレッシュで高い酸があり、少し厳格な印象を持たれることもありますが、これにより長期の熟成が可能なワインになるのです。」とマチルドは説明する。

マルゲーヌの「Extra Brut」は、100%ヴィレール・マルムリー村のシャルドネだ。マチルドは、「レモンや塩のニュアンスを感じ、牡蠣などのシーフードとよく合います」と提案する。


当主のアルノー・マルゲーヌ(Arnaud Margaine、右)と娘のマチルド(Mathilde、左)

島 悠里の「ブドウ一粒に込められた思い~グローバル・ワイン講座」
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文=島悠里

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