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ブドウ一粒に込められた思い~グローバル・ワイン講座


3. 華やかでスマート:シャンパーニュ・ピエール・ペテルス


「Cuvée de Réserve」は、シャルドネの名手ピエール・ペテルス(Pierre Péters)によるNVシャンパーニュで、華やかさと切れ味のある正確さが両立する逸品だ。

拠点がある特級のメニル・シュール・オジェ村(Mesnil-sur-Oger)は、コート・デ・ブラン地区の中でも特にチョーク土壌が表土近くから地中に広がる場所で、鋼のようなシャープで長熟なシャルドネを生み出すことで知られる。この「Cuvée de Réserve」は、バランスよく、若いうちから楽しめる仕上がりだ。

その秘訣は、このワインの半分を構成する「リザーヴワイン」(過去の収穫年のワイン)にある。ピエール・ペテルスでは、過去30年間のリザーヴワインを、3つの異なる容器に継ぎ足し方式で貯蓄している。この方式は、現当主のロドルフ・ペテルスが、1997年に父からワイナリーを引き継いだときに、根本から変革をし、一から創り出したものだ。

これにより、長年にわたる自分たちの畑の個性と一貫したペテルスのスタイルとを維持したワインになる。さらに、リザーヴワインには、ピエール・ペテルスの最高峰である「レ・シェティヨン(Les Chétillons)」や「レ・モンジョリ(Les Montjolys)」の畑のワインも含まれている。最新の収穫年の個性に合わせて、ロドルフがそれらを絶妙にブレンドして、「Cuvée de Réserve」が出来上がるのだ。

当主ロドルフのお勧めは、このシャンパーニュを、ホタテなどの貝類や刺身、熟成パルミジャーノと合わせることだという。


当主のロドルフ・ペテルス氏(Rodolphe Péters)

4. 洗練さと芯の強さ:シャンパーニュ・ルイ・ロデレール


オーガニックやビオディナミ栽培の広大な自社畑を誇るルイ・ロデレール(Louis Roederer)のブラン・ド・ブランは、コート・デ・ブラン地区の特級アヴィーズ村(Avize)のオーガニック栽培の4区画から造られる。醸造長のジャン・パティスト・レカイヨンにとって、アヴィーズ村のシャルドネは、リッチで凝縮度があり、丸みのある果実の優しさが特徴だと言う。

シャルドネの良作年にしか造られないヴィンテージ・シャンパーニュで、上質なブドウのピュアな果実味や透明感があり、何層もの奥行きを感じるエレガントな仕上がり。マロラクティック発酵をしないなど長期の熟成を念頭に置いて造られていて、若いうちは繊細な印象だが、長い熟成により様々な発展が期待できる。

例えば、20年以上を経た1998年のブラン・ド・ブランは、カスタードやローストコーヒーといった味わいが加わり、荘厳なたたずまいに変化していた。シャンパーニュには泡も大事な要素だが、このブラン・ド・ブランは、あえて気圧を少し下げるなど、細部にまでこだわって造られている。これにより、繊細なフルーツと泡とがより融合し、心地よいクリーミーな口当たりを実現している。

醸造長は、「若いうちはホタテのカルパッチョと合わせて、熟成したものは、バターでグリルしたシーフードや鶏肉がお勧めです。またヤギのチーズにもよく合います」と提案する。


醸造長のジャン・バティスト・レカイヨン氏(Jean-Baptiste Lécaillon)

文=島悠里

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