ビジネス

2020.04.25

オールバーズ、全製品に「カーボンフットプリント表示」を導入

Tommaso Boddi/Getty Images for Allbirds

「サステナブルなモノづくり」を打ち出すスニーカーブランド「オールバーズ(Allbirds)」が、すべての製品にカーボンフットプリントを表示すると発表した。ファッションブランドとしては史上初めての試みだという。

今後、オールバーズの製品すべてに、その製品を作る際に排出された二酸化炭素(CO2)の量を示す数字が明記される。

ちなみに、オールバーズのフットウェア1足を製造する際の平均排出量は7.6kg CO2eだ。これを他の製品と比較すると、ビニール袋のカーボンフットプリントは約1.6kg、ジーンズは約29.6kg、自転車は約240kgだ。

オールバーズは、カーボンフットプリントに関する第三者の専門家と共にツールを開発し、素材、開発、製造、包装、配送など、同ブランドが行うすべての判断に関して、炭素集約度(carbon intensity)を測定する仕組みをつくり出した。

今回の取り組みは、2019年に発足した同ブランドのカーボン・ファンド(Carbon Fund)に続くものだ。このファンドは、オールバーズが100%のカーボンニュートラルを実現するために自らに課した「税金」を資金源としている。

さらに、ファンドの基金は、大気、風力、クリーンエネルギーに関わる検証ずみの温室効果ガス削減プロジェクトに支出され、100%のカーボンニュートラル達成を支えている。

シューズ素材に使われるメリノウールの元となる牧場の羊から、本社社屋の電球に至るまで、オールバーズは自らが事業体として排出する二酸化炭素1トンにつき、同じ1トンの二酸化炭素を大気から除去するための費用を支払う。上記のカーボン・ファンドを通じて二酸化炭素をオフセットするコストは、10kgにつき10セント前後だ。

オールバーズでは、今回の自社製品へのカーボンフットプリント表示開始が、サステナブルなファッション産業による二酸化炭素排出量軽減への取り組みを促進するだけでなく、カーボンフットプリントに関する透明性の推進にも役立つことを期待している。
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翻訳=長谷睦/ガリレオ

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