億万長者の厳しい世界について執筆

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サウスダコタ州にあるスミスフィールド(Smithfield)豚肉加工場は、4月第2週の週末以降、無期限閉鎖が決定した。ここで働く200人以上の労働者が新型コロナウイルスに感染していたことが、州の報告書で判明したためだ。同社のケネス・サリバン(Kenneth Sullivan)CEOは警鐘を鳴らしている。

「閉鎖される食肉加工場は、当施設を含めて業界全体で増えつづけており、わが国の食肉供給は限界に危険なほど接近している」と、サリバンは声明で述べた。「加工場が稼働していなければ、食料品店の在庫を維持することは不可能だ」

米国の豚肉供給の5%を占めるサウスダコタ州の同工場が閉鎖する前にも、ペンシルバニア州のカーギル社(Cargill)の加工場や、コロラド州のJBS社の牛肉加工場などが閉鎖の憂き目にあっている。

さらに不安を煽るように、労働者の権利擁護団体は、事態は今後さらに悪化するだろうと警告する。全国で数百人にのぼる必須食品産業労働者が、新型コロナウイルス感染症を発症し、業務が不可能になっているためだ。

米国最大の食品・小売業の労働組合である全米食品商業労働組合(United Food and Commercial Workers)で代表を務めるマーク・ペローネ(Marc Perrone)は、「危険性は今後も高まるばかりだ」と話す。

しかし、本当に米国の広範囲で食肉不足が発生するのだろうか? その可能性は低そうだ。

「このような供給の中断と、それに伴う是正措置は発生するだろう。しかし幸い、わが国の食料生産システムは多様化している」と、サンフランシスコに拠点を置く未公開株式投資会社アンコール・コンシューマー・キャピタル(Encore Consumer Capital)の共同創業者、ロバート・ブラウン(Robert Brown)は語る。

業界は今後数週間、生産能力を阻害される可能性が高い。食肉生産量の減少により、小売店で在庫が不足する可能性があると、専門家は指摘する。しかし米農務省のデータによれば、2016年の時点で、米国内には35000か所の食品・飲料製造施設があり、30州以上が州内に少なくとも300か所の施設を有する。スーパーマーケットへの供給に不安はない。

「ここ20年で大規模な食品会社の統合が相次いだが、同じくらいイノベーションも起きてきた」と、ブラウンは言う。「このような多様化は、食品産業全体が家庭での食料備蓄需要を満たそうとオーバーワークしている今こそ、大いに役立つだろう」

翻訳=的場知之/ガリレオ

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