ロックダウンで砂糖の取り過ぎ? 水を十分飲むことが重要な理由

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ハエの腎臓系をさらに詳しく見た研究者らは、糖分の取り過ぎにより尿酸と呼ばれる有害分子が蓄積されていることを発見した。ハエ、そして人間において尿酸は、プリンと呼ばれる化合物を分解するときに出る老廃物だ。プリンは、全ての動植物の遺伝子(DNA)の構成要素であり、血液中のプリンの分解量が多過ぎることは、関節炎から心臓病までさまざまな病気を示す兆候となる。また尿酸は特に腎臓に悪影響を及ぼし、結晶化して腎臓結石を作ることがある。

研究者らは、ハエに与える水を増やすことで乳酸の量が減り、腎障害が予防され、糖分の摂取量が多いことによる寿命の低下からハエを守ることができることを突き止めた。

しかしこれは、飲む水の量を増やせば砂糖の消費を増やしてもよいということではない。砂糖の過剰摂取は、ここでは書き尽せないほど多くの理由から不健康なもので、砂糖が入ったものを食べたり飲んだりするのは避けるのが最善だ。しかしこの研究では、砂糖を消費したときには水を飲む量を増やすことで、乳酸の蓄積が減る可能性があることが示唆されている。これは、私たちの体全般にとって重要なことだ。

研究者らは、砂糖の過剰摂取が健康な人にもたらす影響を調べた際に、このハエの研究との類似点を見つけた。同研究の共著者クリストフ・カレタ教授は「食べ物から砂糖を摂取することは、ハエと同じように人間の間でも、腎機能の悪化や血中プリン濃度の上昇と関連していることが分かった」と述べた。今後の研究では、ハエの研究による発見事項と人間への影響の間に他にも重複する部分があるかを調べることになるだろう。

砂糖の取り過ぎは悪いことで、避けるべきだ。しかしこの調査からは、砂糖を取り過ぎていると思ったとき(現状ではそうなってしまう可能性が高い)には、水を飲む量を増やすことでその影響(特に体内における有害な老廃物の蓄積)を一部抑えることができ、これが重要な防御手段となり得る可能性が示唆されている。

自宅の中を動き回る際は、魔法瓶をきれいな冷たい水で満たし、問題を引き起こしかねない甘い飲み物の代わりに水を飲むようにしよう。水を飲むことで水分補給もでき、脳にも良い効果が出るだろう。

翻訳・編集=出田静

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