Close RECOMMEND

イノベーションの舞台裏

アトツギとして、スニーカーブランド「brightway」をリリースした上田誠一郎

私たちインターナショナルシューズは1954年に創業し、大阪市浪速区で国内外の婦人靴ブランドのOEM製造を手がけているほか、2017年からは工場直結型のメイドインジャパンブランド「ファクトリエ」との取り組みをスタートさせ、日々ものづくりの魅力を発信している。

2020年3月には、トレンドを追わない、モデル数を増やさない、大量生産を行わず地場で1足1足丁寧に作る、というこれまでのファッション業界の常識と真逆の方針を打ち出すスニーカーブランド「brightway」をリリースした。一般消費者にはあまり知られていないが、ファッション業界ではメンズとレディースでは作り方が異なり、同じブランドでも商品は別々の工場で作られている。

特に靴の場合、木型設計から使用する素材まで違いがあり、基本的に両方を手がける工場はない。そんな中、私は高級ブランドから家業に戻ってきた「アトツギ」として、婦人靴工場でありながらメンズスニーカーをつくることにした。



なぜメンズブランドを立ち上げたのか、そしてその先にどんな未来を描いているのか。私が「自社ブランド」を成功させるために大切にしてきた3つのことを軸に、開発の裏側を話していこうと思う。

1. 家業を通じてどうなりたいか、想いを具体的な方法に落とし込む

2. 想いとニーズをマッチさせる

3. 小さな行動の積み重ねを大切にして応援される人間になる


家業での経験を通じて見つけた想い


私は偶然にも高級婦人靴ブランドに就職したことから家業に戻ることになった。

今思えば、靴ブランドに就職が決まった時点で私の運命は決まっていたのかもしれない。家業に戻り悔しいことも嬉しいことも経験する中でこの仕事が好きになり、気付けばこの家業を守りたいと思う自分がいた。

そして工場に戻ってきて知ったのは、ファッション業界の裏側という現実。一緒に靴を作る仲間が評価されない世界、この仕組みを何とか変えたいと思った。「ものづくりを通じて使う人も作る人も心が豊かになれる社会を創ること」──家業を通じて、自分の人生をかけてやりたいことが見つかった。

null

編集=新國翔大

この著者の記事一覧へ

PICK UP

あなたにおすすめ