マスクの着用やソーシャルディスタンシングに慣れ、コロナ禍のふるまいに理解と実践が進む一方で、がんと闘う人にとっては深刻な状況が続く。
がんと言われても動揺しない社会を目指す「CancerX」。自らがんと向き合い続ける者、科学の立場から支援する者、活動を応援する者たちから成るこの団体は、今まで多くの活動を行なってきており、Forbes JAPANでも以前紹介した。(2月4日|AYA世代とは? CancerX が「がん」への理解を能動的に変える)
4月21日、Cancer Xはweb会議システムを活用し『CancerX COVID-19 Special Online Session〜新型コロナ禍の今、がん患者・家族が知りたいこと〜』を開催。がん患者の不安に向き合った。オンライン上に集まったのは総勢約600人。多くの行動が制限されるなかで身近なテクノロジーを使い、患者と医療従事者・研究者とを「つなげた」。ニュースでは感染者数の推移や政府の対応などが中心に伝えられているが、がん患者にとっての不安はもっと違うところにある。加えて、感染者への対応で手術の延期や院内感染による病院の閉鎖などの実際に起きている事象が患者に追い討ちをかける。
強力な専門家陣が不安の一つひとつに応えていく。
がん患者の多くが持つ大小それぞれの不安に応えるべく、CancerXの共同発起人を含む医療従事者、研究者らが登壇。Cancer Xは、今がん患者にとって必要な情報を彼らの最前面に提示した。
イベントをモデレートするのはCancerXの共同発起人でもある鈴木美穂。彼女自身もがんを経験している。参加者から事前に送られている質問を整理し、一つひとつ答えを見つけていく。イベントでは熱くさまざまな意見が飛び交ったが、本稿ではその内容を簡潔にまとめできるだけお伝えすることで、参加できなかった患者、そして私たちもこの学びが彼らへのサポートにもつながると思う。
─登壇者─
・秋山正子(認定NPO法人マギーズ東京 センター長)
・天野慎介(一般社団法人 全国がん患者団体連合会 理事長)
・大須賀覚(アラバマ大学バーミンハム校 脳神経外科 助教授)
・大曲貴夫(国立国際医療研究センター病院 国際感染症センター センター長)
・勝俣範之(日本医科大学武蔵小杉病院腫瘍内科 教授)
・佐々木治一郎(北里大学病院 集学的がん診療センター センター長)
・CancerXから上野直人(米国テキサス大学MDアンダーソンがんセンター 乳腺腫瘍内科 教授)、モデレーター鈴木美穂(認定NPO法人マギーズ東京 共同代表)