「新型コロナってなに?」 NYタイムズが子供たちの質問に答えた(後編)

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──こんにちは、あたしはエルザ・クシュナーです。ニューヨーク州のニューロシェルに住んでます。どうして子供はコロナウイルスにかからないの?

カール:はい、これもいい質問ですね。それとエルザ、本当は子供もコロナウイルスに感染するんです。でもおかしなことに、子供はそんなに具合が悪くならないんです。なぜでしょう?

科学者たちはその理由を頑張って突き止めようとしています。考えられる理由のひとつに、子供はよく風邪をひくからということが挙げられます。風邪のなかにはコロナウイルスが引き起こしているものがあります。そうした風邪に少し前にかかった場合、免疫系が抗体を作っていて、それがコロナウイルスから体を守っているのかもしれません。

子供は大人たちに比べたら健康で、肺も丈夫できれいだからという説もあります。人間は老化しますし、大人ならタバコを吸う人もいますし、汚い空気も子供よりも多く吸っています。もしかすると、免疫系はコロナウイルスのような新しいウイルスには正確な攻撃ができないのかもしれません。まだまだわからないことだらけです。

マイケル:そうですか……では次に、サン・マテオのヴィヴィアンからまた質問が来ています。

──こんにちは、ヴィヴィアンです。サン・マテオにいます。ワクチンや、コロナウイルスにかかった人を治すお薬のようなものを作れないの? もうひとつ訊きたいんだけど、ワクチンってどうやって作るの?

カール:ワクチンの役割は、敵であるウイルスの姿かたちと、そのウイルスとの戦い方を免疫系に教えることです。ウイルスの中には、その役割を果たすために、ほんの少しのウイルスがあればすむものもあります。このほんの少しのウイルスは完全なウイルスではなく毒性を弱めたものなので、体の中に入れても発症しません。

それでも免疫系は「よし、次にこいつが来たら、こいつをやっつける武器を作って戦うぞ」と準備を整えます。だから本当のウイルスが襲ってきても、そのときはもう免疫系は敵の姿と戦い方をわかっています。

しかしワクチンのレシピ作りはかなり難しいのです。なぜなら、免疫系に戦い方をしっかりと教えることができるウイルスの正確な量を突き止めなければならないからです。なので、テストをしなければなりません。最初は動物に使ってみて、うまく効くかどうか試します。コロナウイルスの場合はフェレットで試すのが一番いいかもしれません。


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マイケル:どうしてフェレットなんですか?

カール:それがものすごく不思議な話なんですよ。フェレットの気道には、わたしたちの細胞とよく似た細胞があるんです。ウイルスが細胞の内部に侵入するために使うタンパク質まで似ているんです。科学者はこのタンパク質を作り出して動物実験をする必要があります。動物で試して大丈夫だったら、次は人間でテストします。でもそこまで達するにはかなり時間がかかります。

マイケル:カール、大変助かりました。お時間を割いていただき、本当にありがとうございます。最後に、今この時点で誰もが答えを知りたがっている質問にお答えください。
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翻訳・編集=黒木章人/S.K.Y.パブリッシング 構成=石井節子

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