ビジネス

2020.05.03 16:30

女性CEOの誕生を阻む「ガラスの天井」、その実態


昇進で差別されたことを立証する


ガラスの天井にぶつかることは、昇進差別のひとつだ。もし雇用主が誰かの昇進を、その人物がプロテクテッド・クラス(Protected Class:法律上、差別してはならないとして保護されている集団。女性も含む)に属していることを理由にして拒んだ場合、1964年に制定された公民権法第7編に違反していることになる。

被雇用者側は、雇用差別があったことを示す「一応の証拠(prima facie)」(反証が提示されない限り事実を立証する証拠、または、判決の根拠とするうえで十分な証拠のこと)を提示するためには、以下の点を立証しなくてはならない。

1)被雇用者の女性は、プロテクテッド・クラスに属していること。例:女性、アフリカ系米国人、イスラム教徒など。

2)雇用主がその女性に対し、雇用をめぐって不利益な措置を行ったこと(昇進の却下や解雇なども含まれる)。

3)被雇用者が属するプロテクテッド・クラスの特性を理由に、雇用主が被雇用者に不利益となる措置をとったこと。

被雇用者が一応の証拠を提示したら、次に雇用主は、被雇用者に不利益となる行動をとったことについて、合理的かつ非差別的な理由を提示しなくてはならない。雇用主が非差別的な理由を提示したあと、被雇用者は、その理由が実際には差別をするうえでの口実であると申し立てる必要がある。

昇進差別とガラスの天井


企業が女性従業員を一定の上級職に昇進させた場合でも、ジェンダーを理由にしてCEOやその他のCレベル職から除外しているのであれば、法律に違反している可能性がある。この領域での状況には改善がみられるものの、その歩みは遅々としており、断続的だ。大きく前進するために、企業はあらゆる職種の採用と昇進で行われている慣例を絶えず精査し、すべての人が平等な機会を得られるようにしなくてはならない。

翻訳=遠藤康子/ガリレオ

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