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最先端の経済誌「Forbes JAPAN」の記事紹介

「環境にとっても、自分たちにとっても、もっといいものが作れるはず」。デザイナーのローレン・ノウチ(28)は、ラグジュアリーブランドで働きながら「非倫理的」な服の製造に疑問を感じていた。思いを共有する共同創業者のアメリー・ブリック(35)と2016年にニューヨークで立ち上げたのが、動物から作られた皮革、染料、接着剤を使用しない「ヴィーガン」服ブランドのアパリス(Apparis)だ。

DtoCでの直接販売は伸び悩んだが、ポップアップの実店舗でフェイクファーのコートを出すと、手応えを感じるようになった。

またとない吉報がやってきたのは、2018年の初め。ポップアップストアでコートを見かけた、米高級百貨店チェーン「ブルーミングデールズ」のファッション・ディレクターが秋服を見たいと言ってきた。若手デザイナーにとって夢のような話だが、大きな問題があった。ひとつもデザインができていなかったのだ。

ノウチはパリのスタジオ・アパートメントに2週間引きこもり、ライラックに濃いオレンジ、ネオンピンクといった大胆な色使いのフェイクファーのコート、12着のデザイン画を描き上げた。ブルーミングデールズは5000着をオーダーした。

これはいける、と確信したノウチとブリックは、他の小売業者に営業電話をかけ始めた。2年後、アパリスの服は、ニューヨークを拠点とするセレクトショップや高級百貨店など600もの店舗で販売されている。ノウチによると、2019年の売り上げは730万ドルを見込む。

ノウチの食事は必ずしもヴィーガン食ではないが、持っている服は全て動物性の素材を含まないヴィーガン服だ。「飲食業界で起きた大きなムーブメントがファッション業界に移っています。次に来るのは『ヴィーガン・ファッション』です」。


Lauren Nouchi◎フランス出身。両親は女性服のブティックを経営。米サフォーク大学を卒業後、ハーバード・エクステンション・スクールMBA取得。ルイ・ヴ ィトンやサン・ローランを経て、24歳でアパリスを立ち上げた。米Forbes誌の30 UNDER 30(2020年)に選ばれた。

文=スティーブン・べルトーニ、アレクサンドラ・ウィルソン 写真=ジャメル・トッピン

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