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従業員の体温を測定したり、マスクを提供したり、米国では新型コロナウイルス感染者の増加を抑制するため、企業がさまざまな対策を講じるようになっている。

そうしたなか、アマゾン・ドット・コムが段階的に対象者を増やし、最終的には全従業員の検査を定期的に実施するという新たな方針を示した。今後、ほかの企業に同様の対策を促すことにつながるかもしれない。

アマゾンのジェフ・ベゾス最高経営責任者(CEO)は4月16日、例年どおり「株主への手紙」を公表。「従業員を守るための次のステップは、症状がない人も含め、全従業員を対象とした定期的な検査を行うことではないかと考えている」と明らかにした。

さらに、「あらゆる産業において、世界的規模で定期的に検査が実施されれば、人々の安全を保てるだけでなく、経済を元の状態に戻し、動かしていくことにも役立つだろう」と述べている。アマゾンの従業員数は、全世界で約84万人。米国だけでも59万人を超えている。

アマゾンのいくつかの物流拠点では、従業員の間に感染者が出ていると報じられている。また、従業員の不満が高まっていることや、出勤できる従業員の数が減少していることも指摘されている。

経済に深刻な痛手


一方、米国では主要企業などのリーダーたちが15日、経済活動を早期に再開させたいドナルド・トランプ大統領に対し、安全に再開するためには、まず検査数を大幅に増やす必要があると訴えた。

米国では経済活動の大部分が停止している。必要不可欠な商品・サービスを提供する店舗以外は閉鎖が命じられ、営業を続けている飲食店も業務を制限されており、テイクアウトとデリバリーの注文に対応するのみとなっている。

このところ発表される経済指標はすべて、新型コロナウイルスが経済に大きな痛手を負わせていることを示している。米商務省は15日、3月の小売売上高が前月比で8.7%減少したことを明らかにした。統計を開始した1992年以来、過去最大の下げ幅だ。

自宅待機が指示されたことを受け、多くの人が食料品をまとめ買いしたことから、食料品店の売上高は27%増加。ただし、飲食サービスは27%減少した。また、衣料・装飾品が51%減、百貨店が20%減、家具・インテリア店が27%減と、それぞれ大幅に売り上げを減らしている。

アマゾンにも打撃


アマゾン傘下のスーパー、ホールフーズ・マーケットは、ニューヨークのマンハッタンの一店舗を除き、営業時間を短縮して業務を継続している。一方、生活に必要不可欠なわけではない商品を扱うアマゾン・ブックスやアマゾン4スター、アマゾン・ポップアップは、店舗を一時閉鎖している。

食料品をはじめとする必需品のオンライン注文は大幅に増加しており、業界をリードするアマゾンの物流ネットワークさえ圧迫。配達の遅延が増加している。同社は先ごろ、(マーケットプレイスなどに出品する)第三者向けの宅配サービス「アマゾン・シッピング」を休止すると発表した。

ベゾスCEOは株主への手紙のなかで、「生活必需品の需要は、依然として高い状態が続いている。だが、ホリデーシーズンのように予測可能な伸びとは異なり、現在の急伸はほとんど前触れなく起きたものであり、われわれのサプライヤーや配送ネットワークも、大きな課題に直面している」と述べている。

物流拠点では現在、生活必需品と医薬品などの配達を優先。また、従業員の安全を確保するため、作業プロセスの見直しを実施。150以上の変更を行ったという。

ネット通販の需要の急増を受け、同社は3月以降、物流拠点と配送部門で、フルタイムとパートタイムを合わせて17万5000人を採用すると発表している。

編集=木内涼子

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