テクノロジー

2020.04.19 07:30

新「iPhone SE」の知られざる注目ポイント5つ

第2世代のiPhone SE(apple.com)

第2世代のiPhone SE(apple.com)

アップルは4月15日、「iPhone SE」の新モデルを発表した。サイズと外見はiPhone 8とほぼ同じだが、価格は新SEの方が安い。ここでは他のメディアがあまり伝えていない、SEの特徴を紹介してみたい。

カメラはiPhone 11には劣るが大幅に進化


一部のレポートは、新SEがiPhone 11や11 Proと同じイメージセンサーを搭載していると報じているが、それは事実と異なる。実際には、iPhone XRよりも小型で、iPhone 8と同等のようだ。

しかし、ハードウェアがiPhone 8と同じでも、カメラ性能は格段に向上している。その理由は、iPhone 8のリリース以来、ソフトウェアやプロセッサの性能が進化し、処理速度が飛躍的に向上したことにある。新SEは、驚異的な速度を誇るチップセット「A13 Bionic」とニューラルエンジンを搭載し、カメラ機能がパワーアップしているのだ。

また、新SEには、4.7インチのiPhoneとしては初めて手ぶれ補正が搭載されている点も注目ポイントと言えそうだ(iPhone 6、6s、7、8には搭載されていない)。

弱点をあげると、新SEはポートレートモードに対応しているが、対象は人物のみとなっている。背景をぼかした愛犬の写真を撮ることはできないが、それはiPhone XRも同じだ。また、低~中程度の明るさで撮影した写真の画質が改善できるDeep Fusionは搭載されていない。

アップル史上最高のコスパ


新SEは、iPhone 8と同じくエントリーレベルの容量が64GBだが、価格は「8」の499ドルよりも50ドル安い399ドルからとなっている。仮に新SEの機能が「8」と全く同じであったとしても50ドルお買い得なのだが、実際にはかなりパワーアップしているので、コスパはさらに高いと言えそうだ。

さらに言うと、新SEの価格は、4年前に発売された初代SEと同じだが、性能はまるで違う。128GBモデルは449ドルと、iPhone 8の128GBに比べて50ドル安い。256GBモデルは549ドルで、64GBしかないiPhone XRより50ドル安い。新SEのプロセッサは「XR」よりも格段にパワフルで、顔認証のFace IDは搭載していないが指紋認証のTouch IDが利用可能だ。

モバイルSuicaの使い勝手が向上


新SEは、充電が必要な状態でもエクスプレスカードを使うことができる。つまり、通勤時にiPhoneの充電表示が赤色になっても、最大5時間までは認証なしでSuicaを使うことができるのだ。新SE にはiPhone 8や初代SEと比べて大きなアップグレードが追加されたことになる。

「SE Plus」は存在しない


新SEは、実質的にiPhone 8の後継機種であり、「8」と「8 Plus」が“引退”することによって5.5インチモデルが消え去ることになった。5.5インチモデルが欲しければ、在庫がなくなる前に店頭に行って8 Plusを購入することをお勧めする。アップルの公式サイトでは、8シリーズは以前表示されていた場所から既に消えている。

しかし、アップルは新型SEこそが多くの人にとって最適なサイズだと考えており、それが理由でより大きな「Plus」モデルは作らなかったようだ。8 Plusのサイズは11 Pro Maxとほぼ同じであることから、より小型なサイズに特化したのは理に適っている。

UWBに対応する「U1チップ」は非搭載


iPhone 11シリーズに搭載されている空間認識のための超広帯域(UWB)テクノロジーを使用する「U1チップ」は、新SEには搭載されていない。その理由は、新SEは値ごろ感が大事であり、U1チップを搭載すれば価格が高くなってしまうからだと考えられる。アップルは、U1チップの搭載よりもカメラ性能やプロセッサの向上を優先したようだ。

編集=上田裕資

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