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2020.04.20 06:30

実践者たちが語った「テレワークの本音」 意外と盲点な課題はどこに潜んでいる?

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ついに緊急事態宣言は7都道府県から全国に拡大した。政府はすべての事業者に対し、テレワークを原則とし、やむをえない場合でも出勤者を最低7割減らす取り組みを求めるなど、新型コロナウイルスとの戦いは新たなフェーズに入ったといえる。

しかし、テレワークの実施状況は企業規模や業種により差があるのが現状。東京商工会議所が4月8日に発表した「新型コロナウイルス感染症への対応に関するアンケート」調査結果によれば、テレワークを実施している企業は26.0%、実施検討中は19.5%という。

回答企業属性は従業員50人未満の企業が51.1%と、中小企業寄りの数字とはいえ、まだまだ低いと言わざるを得ない。

テレワーク導入済の企業にしても、余裕をもって緊急事態宣言を迎えたかといえばそうではない。会社員の知人に話を聞くと、こんなところに課題があったのか、という発見があった。それはテレワークの前段階、「道具と手段」だ。いきなりテレワークといわれても、機材や通信環境が揃ったオフィスとはわけが違う。戸惑いがあって当然だ。

そこで、テレワークの実施状況、利用しているツールの種類(パソコンなど)や通信回線、映像/音声会議の実施状況などを40代・50代の20名にSNSで取材した。アンケートツールは使わず属人ベースで取材した都合上、いわゆる大企業勤務者が多いことを付しておく。

テレワークを実施してみて……


20名のうち、職場にテレワーク導入済と答えたのは18名、うち12名が4月13日現在テレワーク中という。導入済だが適用外の6名に含まれる保険会社勤務のHさん(50代・男性)は、「部署と自分の職種がテレワークに適さないから」と答えた。団体職員のMさん(40代・女性)も、「持ち出し不可の個人情報を扱う部署のため難しい」という。

目下テレワーク中というIT企業に勤務のKさん(50代・男性)は、「2月16日の週から40%くらい、3月以降は80%くらい」の割合で実行しているのだそう。道具は「会社支給のノートPCと自前のスマートフォン」、テレビ会議はないものの、音声会議は実施されているとのこと。以前からテレワーク導入に賛成だったこともあり、今回の事態は冷静に受け止めているという。

4月第1週からほぼ完全にテレワークという銀行系シンクタンク勤務のJさん(50代・男性)は、「自前のノートPCを使用している」という。その理由を訊ねると、「会社支給のPCや携帯電話を持ち出す手続きが面倒。万一紛失すると警察へ届け出なければならない」ため、やむを得ずだそう。テレビ会議/音声会議については「事業拠点間以外は使用しない」とのことで、従業員間の連絡は基本的にメールなどテキスト/ファイルベースだという。

外資系IT企業に勤務のGさん(40代・男性)も、4月第1週からテレワーク入り。道具は会社支給のノートPCだが、「作業しやすいよう個人的に外付けディスプレイを導入した」そうだ。テレビ会議は利用せず音声会議のみだが、画面共有(参加者がPC画面を相互に閲覧できる機能)はよく使う、とむしろテレワーク慣れしているよう。

大学教員のMさん(50代・男性)は、授業と会議以外は年中テレワークのようなものと前置きしつつ、「会議やゼミはあっさりオンライン化したものの、現在は授業のオンライン化で頭が痛い」と、職種ならではの苦悩を明かしてくれた。
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文=海上 忍

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