厚生労働省とLINEが実施した新型コロナウイルス対策のための全国調査によると、「仕事はテレワークにしている」と回答した人は5.6%と、思ったより少ない印象がありますが、感染拡大が進んでいるなかで、これからより多くの人たちがリモートワークを始め、そしてこの状況が長期化することが考えられます。
厚生労働省ホームページより
また、今回の新型コロナウイルス対策によって、「人と会うこと」「人が集まること」がリスクであると捉え、できる限りリモートでの運営を考える会社も増えてくることは想像に難くありません。
リモートワークが日常化すると、オフィスワークや対面主体で働いていた時代にはなかった「デジタルコミュニケーション力」という新しいスキルが、仕事で成果を上げるためには必要となってきます。
デジタルコミュニケーション力が必要になる
リモートワークになると、Zoomなどを使った映像を介した打ち合わせはあるものの、中心はチャットツールなどを使ったテキストでのコミュニケーションになります。つまりオフィスで働いていたときのように、口頭で雰囲気を伝える、といったこともできなくなるわけです。
テキスト(特にチャット)でのコミュニケーションで仕事を進めていくために必要なのは、「デジタルコミュニケーション力」です。
テキストでうまく伝えるのは苦手、テキストだと冷たく感じるなど苦手意識のある人は多いかもしれません。ただ、今後テキストを中心としたデジタルコミュニケーション力はビジネスパーソンにとって当たり前のスキルになってきます。
私が取締役を務めるキャスターでは、2014年の設立以来、業務委託を含むほぼすべてのメンバーが、常時リモートワークをしてきました。現在では、45都道府県、15カ国にわたる約700名が、リモートワークで日々の仕事をしています。
そこで、私の経験から導き出した、これからの働き方に必要な「デジタルコミュニケーション力」をアップするためのポイントを5つ挙げてみたいと思います。
1. 1度ですべてを伝えようとしない
テキストでのコミュニケーションが中心になると、対面で話すよりも情報量は少なくなります。話している内容以外の、表情や動作などによって得ていた情報が得られなくなるからです。
だからこそ、テキストでやりとりする際は、「会話の回数」や「会話の往復」を対面で働いていたときよりも増やすよう意識することが大切です。
1度にすべてを伝えきろうと思うとかなりの長文になり、相手も返信しにくくなったり、複数の話題がひとつの会話の中に入ってきたりすることで、会話がどんどん複雑になっていきます。
なので、1チャット1メッセージで、簡潔に短く伝えることがポイントです。1度で全部を伝えたい気持ちはわかりますが、対面での会話と同じように、テキストでやり取りする回数を増やして、コミュニケーションを重ねましょう。
メッセージの受信者となった場合も、わからないときはわからないと伝えること、質問することを遠慮することなく実施し、やりとりを重ねるなかで齟齬をなくすようにしていくのが基本です。
2. 前置きをしないで結論から
1の「1度で伝えようとしない」にも通じることですが、チャットの場合、メールなどに比べて、要件を簡潔に、かつ結論から伝えたほうが伝わりやすいことが多いのです。