月々3万円以下、オンラインで始める新時代の歯科矯正
──実際、ローンチ後には1000名弱の問い合わせがあったんですよね。
タイミングが良かったんでしょうね。アメリカで歯科矯正D2Cが上場したことを感度の高い人たちはみんな知っていたので、期待値も高かった。
そして、みなさん潜在的に歯並びをなおしたい気持ちはあったんですよね。でも、値段が高いし、通うのは面倒だし……って敬遠してきていた。私自身もあまりいい歯科体験をしたことがなかったですからね。医療の世界は、基本的に良いドクターを見つけるための情報が少ない。だからこそ判断材料を世の中に提供したいと思いました。
──「歯型とりセッション」以降はどういうやりとりが発生するのでしょうか？
歯型とりセッションでスキャンした歯型データや口腔内写真などを元に、複数のドクターがOh my teethにマッチするか診断します。
後日ユーザーはオンラインセッションにて、ドクターから診断結果と利用可能なプランを聞き、インフォームドコンセントを済ませたらLINEに矯正シミュレーション動画が届きます。自分の理想とする歯並びになることを確認し、承認したら矯正用のマウスピースを含んだキットが自宅に届く流れです。マウスピースは2週間ごとに交換します。オンラインで、かつ分割払いもできて月々3万円以下で始められるのであればだいぶハードルが下がるのではないでしょうか。
──ユーザー層についても教えてください。
男性が多いですね。もともと設定していたペルソナは20〜30代の女性だったので、少し意外でしたね。話を聞いてみると「このサービスが始まるまで歯並び自体気にしたことがなかった」「クリニックへ通ってまでやろうとは思えなかった」みたいな方が多いので、需要の喚起はできたのかもしれません。
──高額なイメージが強いからか、社会人になってから矯正しようとはなかなか思えませんからね。
そうそう。小さい頃に矯正したけど戻ってきてしまった方もいましたね。普通は終わった後に後戻り防止年のリテーナーを付けなければいけないんですが、紛失してしまったり、かつて通っていた歯科クリニックへ足を運ぶのが面倒だったりして、Oh my teethに声をかけてくれるケースも少なくありません、
あ、意外といえば、エンジニアの方が多くて。デスクワーク中心だからか体調管理や体力づくりに興味のある方が多いじゃないですか。それと近い文脈で利用してくれているエンジニアが多いような気がしますね。
──ありがとうございます。では最後に今後の展望を聞かせてください。
歯科矯正の1.2年もの間ユーザーとエンゲージメントを結べるということは、展開としていろいろな可能性が考えられます。すでに「ホワイトニングをやりたい」といった意見もいただいていますし、「どういう歯ブラシがいいですか？」といった相談を受けています
私たちらにはすでにパーソナライズしたデータがあるので、いずれは「あなたにフィットした5秒で歯磨きが終わる歯ブラシ」みたいなものも生まれるかもしれない。口腔内のデータを最も保有しているプレイヤーになっていくことが最も大切だといえますね。
