小暮昌弘(以下、小暮):ここ数年、世界的にビジネススタイルが大きく変化していますね。
森岡 弘(以下、森岡):日本の金融関係の会社でさえ、スーツ、ジャケット以外での着用を認めるような時代ですからね。ジーンズやスニーカーで通勤できるようにもなりましたし。
小暮:カジュアルも含めてのことですが、「アスレジャー」ブームの影響も大きいのではないでしょうか。
森岡:「アスレジャー」はアスレチック(運動競技)とレジャー(余暇)を組み合わせた造語ですね。大きなトレンドのひとつですね。
小暮:アメリカでは普通のアパレルの売り上げは苦戦しているが、アスレジャー関連のアパレルは2桁以上の伸びが見込まれているという報道もあります。
森岡:これまではクールビズ、ウォームビズなど、環境や快適さを考慮したビジネススタイルへと変化してきたわけですが、健康に対する考え方やライフスタイルや価値観の変化が「アスレジャー」ブームをここまで大きくしたのだと思います。
小暮:今回取り上げる「ニュートラルワークス.」は、「スポーツライフスタイルで、24時間を過ごしたい人たちのためのココロとカラダをニュートラルに整える」をコンセプトにしています。
森岡:まさに「アスレジャー」を体現するようなブランドであり、ショップです。このセットアップは、ショップでも扱っている「ザ・ノース・フェイス」で培った最新の技術をベースに製作されたものです。
小暮:ジャケットを裏返すと、縫い目がなく、フラットな「溶着」技術でつくられ、「ジャケット」としての美しさが追求されています。これまでとは異なるアプローチでジャケットを仕立てているというわけですね。
森岡:素材そのものも最新です。一般的にはスポーツウェアに用いられる撥水性、吸湿速乾性、ストレッチ性に優れたポリエステル100%の素材が使われています。
小暮:最近、イタリアの老舗でも伸縮性や通気性をもったウール生地を盛んに開発していますが、スポーツ向けの素材開発のほうが確実に先を行っていますからね。