パンデミックは投資のチャンス
新型コロナウイルスが世界経済に打撃を与える以前から、Shunweiはグロースステージの企業価値の高騰を危惧していたという。「当社はしばらく前から、グロースステージの企業への投資を抑えていた」とコーは話す。パンデミックによる企業価値の下落は、ベンチャー投資家の視点から見ると好機だという。
「当社は今後の1年間に渡り、適切な投資を行うための十分な手元資金を用意している」と彼は続けた。彼が現在、注視するのは中国で「インターネットプラス(互聯網+)」と呼ばれる伝統的ビジネスを根本から変えるカテゴリだという。
感染拡大が進む中で、オンライン教育分野には巨大な成長が見込める。自身もリモートワークを行っているコーは、企業向けのビデオ会議サービスの動向にも神経を尖らせている。
コーは初期の出資先であるキングソフトへの投資からも、莫大なリターンをあげた。2007年に香港市場に上場したキングソフトの株価は、IPO当初の3.60香港ドルから、現在は24.25香港ドルまで上昇した。
さらに、キングソフトからスピンオフしたBeijing Office Softwareの株価も、昨年11月に上海市場で上場を果たした後、約33%の上昇となっている。