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Photo by Zhe Ji/Getty Images

中国での投資機会を探っていたシンガポール生まれの投資家、コー・タックリエが、当時はまだ無名だったレイ・ジュン(雷軍)と出会ったのは2005年のことだった。コーはその頃、シンガポールの政府系ファンドでバイスプレジデントを務めていた。

レイは当時、中国のキングソフトのCEOを務めていた。

「彼は情熱的で勤勉で、非常に知的な人物だと思った」と、コーはレイと知り合った頃の印象を振り返る。2011年に2人は北京で投資会社「Shunwei Capital(順為資本)」を設立した。

世界最大のスマホメーカーの1社に成長した、シャオミのCEOを務めるレイはフォーブスの世界長者番付で147位に入り、保有資産は92億ドル(約990億円)とされている。

コーがCEOを務めるShunweiは現在、400社近い企業に出資し、30億ドルを運用している。シャオミや、その他のレイが関わる中国企業への投資を成功させたコーは先日、フォーブスが毎年、世界トップのベンチャー投資家を選出する「ミダス・リスト」に42位で初登場した。

Shunweiの躍進の背景には、中国のベンチャーキャピタル業界全体の急拡大があるが、セコイア・キャピタル・チャイナやIDGなどが海外企業の子会社であるのに対し、Shunweiは中国で設立された現地企業だ。

しかし、残念なことにコーは、今年のミダス・リストへのデビューを中国で祝うことができなかった。新型コロナウイルスの感染拡大によって、彼はシンガポールで足止めを食らったままだ。

「パンデミックは第1四半期の業績に巨大なダメージを与えそうだ」とコーは話すが、中国の古いことわざの通り、「危機こそがチャンスだ」と考えている。

現在48歳のコーはシンガポール生まれで、スタンフォード大学とシンガポール国立大学で学んだ経歴を持つ。彼は母国でドイツ銀行とAIGのアナリストとして勤務した後、2003年に四川省生まれの妻と共に中国に移住した。

当時は、中国が世界貿易機関(WTO)に加盟した直後のことで、シンガポール政府投資公社GICのバイスプレジデントに就任した彼は、急激な経済発展を開始した中国をこの目で見たいと思っていた。

コーは、2008年からAIG時代の同僚が務めるコーポレートベンチャーキャピタルのStarr Investment Advisorsに勤務した後、2011年にレイ・ジュンと共同でShunweiを設立した。

Shunweiは2018年に香港市場でIPOを果たしたシャオミへの投資で、巨大なリターンをあげた。2011年にシャオミの企業価値が10億ドルだった頃に、Shunweiは3000万ドルを投資した。その後、Shunweiが保有するシャオミの株式の価値は10億ドル以上に膨らんだ。

Shunweiはシャオミ以外のレイが関わりを持つ企業にも投資を行っている。ロボット掃除機のRoborockや、動画ストリーミングのYY、ウェアラブルデバイスのHuami、IoT家電のViomi、オンラインオーディオのLizhiなどだ。

ただし、これらのレイ・ジュン関連の企業への投資額が、Shunweiの全ポートフォリオに占める割合は5分の1程度だという。コーは2019年に、シャオミの取締役会を離れている。

編集=上田裕資

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