米国人の仕事の37%が「在宅で可能」、全米経済研究所の調査

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新型コロナウイルスの感染拡大は、米国人の働き方を大きく変えようとしている。全米経済研究所(NBER)が4月6日付けで公開したレポートによると、米国人の仕事の37%が自宅で行えるという。

NBERによるとこれらの37%の仕事は、賃金ベースでは全体の46%に及ぶという。賃金の高い金融サービス分野などの業務はリモートワークに適する一方で、小売や農業、ホテルやレストラン分野の業務を、在宅で行うことは難しい。

投資銀行ジェフリーズによると、現状で在宅勤務を行っている労働者は、全体の約5%だが、パンデミックが去った後にこの比率は2倍に高まる見通しという。ジェフリーズのアナリストは、この流れが企業のテクノロジー分野への投資を促進し、Eコマースの拡大や企業の出張費の削減などにつながり、消費者が余暇に費やす時間を増大させると予測している。

NBERの調査によると、リモートワークの導入が最も進む5大都市圏としては、カリフォルニア州サンノゼや、ワシントンDC、ノースキャロライナ州チャペルヒル、テキサス州オースティン、サンフランシスコがあげられるという。

これらの地域では教育やサイエンス、金融、保険などの分野の業務の半分近くが在宅で実行可能だという。

一方でリモートワークの導入に遅れをとる5大都市圏としては、ミシガン州グランドラピッズやペンシルバニア州ランカスター、カリフォルニア州のベーカーズフィールド及びストックトン、フロリダ州フォート・マイヤーズがあげられた。

これらの都市の運送や倉庫、建設や小売分野におけるリモートワークの導入が可能な仕事の割合は30%以下とされた。

合衆国労働省のデータによると、過去3週間の米国での失業保険申請は1670万件以上に達している。セントルイス連邦準備銀行は、パンデミックがもたらす経済停滞により、2020年4~6月期の米国での失業率が、32.1%まで悪化する可能性があるとの見方を示した。

この数値は、1929年から始まった世界恐慌の時代の失業率24.9%を大幅に上回っている。

編集=上田裕資

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