米国空軍やCIAが支援する20代起業家のクラウド企業、Coderの実力

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新型コロナウイルスの感染拡大により、多くの職場で在宅勤務の導入が進んでいるが、ソフトウェアエンジニアたちが直面する課題の一つが、セキュアなネットワークへのアクセスが、自宅からは難しいことだ。

この課題の解決に向けて、米国空軍が契約を結んだのが、テキサス州オースティン本拠のスタートアップ企業「Coder」だ。同社のクラウドベースのポータルは、在宅で勤務するエンジニアたちが、セキュリティを保ちつつオフィス内のサーバにアクセスすることを可能にする。

米国空軍はCoderのソリューションで、飛行中の戦闘機のモニタリングを行っている。Coderのテクノロジーの素晴らしさは、米国の米中央情報局(CIA)にも伝わり、CIAのベンチャーキャピタル部門In-Q-Telも同社に出資した。

Coderは先日、GGV Capitalの主導で新たに3000万ドル(約32億円)の資金を実施した。出資にはIn-Q-Telに加え、既存出資元のRedpointやUncork Capitalらも参加した。Coderの共同創業者でCEOのJohn Entwistleによると、同社の企業価値は2億ドルとされたという。

「パンデミックにより、当社のソフトの需要は高まった。在宅で勤務するエンジニアの多くは、自宅からサーバーにアクセスするための新たなソリューションを求めている」とEntwistleは話す。

Coderはまだ小規模なスタートアップだが、今年だけで150万ドルの契約を政府から獲得しており、さらに500万ドルの受注の獲得を年内に見込んでいる。同社が米軍のようなシリアスな顧客の信頼を獲得したことは、創業者たちの年齢を考慮に入れると、さらに印象深い。

CEOのEntwistleは現在22歳で、共同創業者のAmmar BandukwalaとKyle Carberryは、それぞれ21歳と22歳だ。彼らは2011年にゲームを通じて知り合い、2017年に会社を立ちあげた。

3人はマインクラフトのサーバー構築の業務を手掛けた後、サイバーセキュリティ関連の問題解決に乗り出した。Bandukwala とCarberryらは高校を卒業後、大学に進んだが数カ月でドロップアウトした後、オースティンに移住し、Entwistleと共にCoderを設立した。

「僕らは高校時代にゲームを通じて、クラウドのパワーを実感し、それを業務分野で活用することを考えた」とEntwistle は話した。
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編集=上田裕資

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