ビジネス

2020.04.16

D2C事業を成功に導く「6つの思考法」──コロナショックの価値変動を追い風に

和ピクルスブランド「和もん」




リリース後は、顧客データに基づく商品改善・コンテンツ改善・新商品展開・プロモーション展開(4. データドリブン)、SNSでの対話はもちろんPOPUPや試食会など顧客との接点を体験とたくさん仕掛けながら顧客が本当に欲しいものを見つけていくこと(5. デジタルを使った直接的な対話)、そして高速でプロダクトを磨き、勝負をするタイミングにファイナンスと組織面において然るべき体力をつけておくこと(6. スタートアップ的経営)を見据えることが必須である。

こうして、6要素を組み合わせそれぞれを深掘りしていくことで、選ばれるブランドが創られていくのだと思う。

また、よく言われるのが、「それ、スケールするの?」だ。挑戦する市場にももちろんよるが、この問いに対して、私は「1プロダクトを全てとしない」「ニッチ市場をいち早く開拓し、横展開すること」を成長戦略としている。

D2Cは参入障壁が低く、差別化が難しいと言われる。実際、サプライチェーンの最適化するサービスはたくさん出てきており、小ロットでOEMを扱う卸メーカーが増え、中国・韓国を中心とした買い付けも容易にできるようになり、小売事業立ち上げのハードルは下がり、アパレルなどのジャンルでは有象無象のD2Cブランドが立ち上がっている。

この状況下において、私は、「ニッチだけど一定市場あるジャンル」「目が向けられにくいジャンル」という条件を考え、漬物市場、さらにその中でもまずは酢漬けジャンルを選んだ。なぜなら、スピード勝負でシェアを取ることでボジションを築けるからだ。一方で、ニッチなのでもちろん売り上げは一定レベルで留まる。1ジャンルを開拓したノウハウとでデータ、ユーザーコミュニティを武器とし、次のプロダクトへと順に横展開していき、ブランド群を作ることを将来的に描いている。

(とはいえまずは1プロダクトで事業成立を証明することが必須なので、必死にやりきる…。)
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編集=新國翔大

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