ビジネス

2020.04.16

D2C事業を成功に導く「6つの思考法」──コロナショックの価値変動を追い風に

和ピクルスブランド「和もん」


コロナ時代の価値変動とD2Cの追い風


実際の顧客ニーズにおいては、コロナショックによる価値変動により、D2Cブランドはますます需要が高まってくるだろう。

前提として、コロナショックによる現状が、定常化するのか、一過性なのかわからない。明確に変わったものがいくつかある。

まずは、体験(特にデジタル体験)に対するハードルが下がったことだ。

この数カ月で、強制的な体制シフトが起こった。“StayHome”を選び、そこで私たちは、初めてオンライン飲みをする、初めてオンライン診察を受ける、初めてオンライン学習で事業を受ける…。現状維持バイアスが外れ、今までの生活だったらありえなかったことを体験するようになった。しかも、それはデジタルに関わる体験がほとんどだ。

これに伴い、今までオフラインで購入するのが一般的だった商品も、オンラインによる購買件数が上がっている。

例えば、「ネットスーパー」をgoogleトレンドで見てみると、この1カ月で大きく検索数が上がった。



様々なジャンルのD2C事業者から、ここ数カ月の売り上げが想定よりも大きく上振れているのを聞いており、生活必需品以外にも同様の現象が現れている。

ポストコロナにおいても、顧客は便利さに慣れ、この流れはある程度定着するに違いない。

次に、消費行動価値の変容だ。この事態により無意味な消費を考える機会ができ、自らの価値観にあったブランド、もしくは消費者に寄り添う姿勢のブランドを支持する動きが強まるのではないだろうか。

自宅で過ごしていると、外食やファッション、娯楽などの浪費が減り、生活スタイルがよりシンプルになり、同時に改めて生活について考えさせられるという声をよく耳する。モノ消費ではなく、自らのライフスタイルに買った商品を選ぶ、商品の背景や体験に価値を見出すコト消費は、アフターコロナにより一層強まるだろう。

D2Cブランドは、まさに顧客と価値観を共にし、ライフスタイルに寄り添うブランドでなくてはならない。何かの模倣ではなく、オリジナルを追求し続けるD2Cブランドが、大きく成長できるタイミングでもある。

さらに、健康意識のさらなる顕在化だ。自らの命、大切な人の命が脅かされる状況下において強い危機感を持った我々は、衛星習慣を身につけ、さらに健康への配慮を行う。

特に食品D2Cブランドは、スーパーやコンビニでは購入し得ない、顧客の健康ニーズに寄り添ったブランドが多い。和もんを含めた、健康需要を満たすD2Cは追い風とも言えるだろう。

様々に解説したが、あくまで個人の(しかも駆け出しのD2C事業者)の意見であることを強調して置きたい。総論として、ぜひ「和もん」を手に取っていただければ幸いだ。


石根友理恵◎神戸大学卒業後に新卒でサイバーエージェントに入社後、株式会社ワンオブゼムに参画し、デジタルマーケティング、PRに従事。フリーランスとして複数企業のPRに重視した後、2017年に株式会社SEAMを設立。現在食品D2C事業「和もん」を展開。

編集=新國翔大

ForbesBrandVoice

人気記事