ビジネス

2020.04.17

若きリーダーたちはどうコロナ危機を乗り越えるか #30UNDER30

「BEYOND THE CORONA CRISIS」サムネイルデザイン=高田尚弥


廃棄される食材を救う/川越一磨(コークッキング)・秋元里奈(ビビッドガーデン)


野菜、フード
お店を休業しても食材の供給をすぐに止められる訳ではない(Getty Images)

外食産業への自粛要請により、飲食店が受ける影響も大きい。営業自粛のほかにも、余った食材を廃棄しなければならないなど、課題は山積している。そんな中30UNDER30フード部門で選出された川越一磨は、自身が代表を務めるコークッキングの運営するフードシェアリングサービス「TABETE」で使える期間限定のクーポンを配布する。同様なフードシェアリングサービスを運営する会社、クラダシとのコラボ企画だ。

TABETEとは、賞味期限や閉店時間が迫り、捨てざるを得なかった食べ物をユーザーが“レスキュー”することで食品ロスを減らすプラットフォームだ。川越はさらに、レスキュー対象を増やすために新たなプロジェクトを立ち上げている。

同じくフード部門で選出されたビビッドガーデン代表の秋元里奈は、食材の供給先が減り余ってしまった生産物を抱える農家に注目した。品質のこだわりのある生産者が自由に出店できるオンライン・マルシェ「食べチョク」は、消費者と生産者を直接繋ぐことで生産者のこだわりが適正に価格に反映され、新しい流通の仕組みを提供しているサービスだ。

食べチョク
ホームページ上では、実際の農産物の写真とともに生産者のヘルプの声が掲載されている(食べチョクホームページ)

臨時休校やリモートワークなどにより自炊をする人が増えるなか、生産者直送の食材の取り寄せを後押しするため送料の500円分を全額負担すると発表。一部商品を除き、2500品目以上の商品が対象で、自分にあった生産者を選んで野菜セットを届ける「食べチョクコンシェルジュ」でも初回分1000円の割引を行う。申し込み期間は4月30日まで。

野菜はもちろん肉類やはちみつ、ワインなど、さまざまな食料品が並ぶ。農家では販売先がなくとも、工場のように生産を止められるわけではない。廃棄される食材を減らすためにも、生産者、店舗、消費者をネット上で繋ぐサービスが担う役割は今後も大きいだろう。

自粛や我慢が求められる状況で、どんな可能性を見いだせるか。危機的な状況に陥って嘆くのではなく、逆に新たな方向性を示すことのできるリーダーたちに共通していることは、“think out of box”=「枠にとらわれない発想」と言えるだろう。

文=田中舞子

タグ:

連載

新型コロナウイルス特集

ForbesBrandVoice

人気記事