I cover retail, from fashion to grocery, and its dance with technology

Paul Hennessy / Echoes WIre/Barcroft Media via Getty Images

新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)をきっかけに、食料品などの生活に不可欠な家庭用品のオンライン注文が急増している。そんななか、Eコマース大手のアマゾンが、2年前から実施してきたパイロットプログラム「アマゾン・シッピング(Amazon Shipping)」の米国での運用を一時停止することになった。この決定は、貨物輸送大手のUPSやフェデックス(FedEx)にとってはプラスに働く可能性がある。

アマゾンはこのほど、アマゾン・シッピングの試験運用を6月に一時停止すると明らかにした。アマゾン・シッピングは、アマゾンのサイトで商品を販売しているが、同社の物流拠点(フルフィルメントセンター)を利用せず、商品を自社倉庫で管理し、配送を自ら管理している業者に対して、アマゾンの集荷サービスを提供するプログラムだ。2018年にロサンゼルスで始まったが、それ以来、対応エリアはニューヨークやシカゴなど、「一握りの都市」(アマゾンの説明による)にまで拡大されている。

このプログラムの一時停止計画については、ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)が最初に報じていた。

アマゾン・シッピングの規模や範囲、さらには、このプログラムを用いているサードパーティ業者の数などの詳細について、アマゾンはコメントを避けた。また、同プログラムを再開するつもりはあるのか、あるとしたらいつになるのかについても、具体的な情報を明かさなかった。

だが、一時停止の決定を、UPSやフェデックスの株を持つ投資家たちが歓迎するのは確実だ。投資家たちはこれまで、急成長を遂げるアマゾン・ロジスティックス(Amazon Logistics)が、従来型の貨物輸送サービス企業から配送のシェアを奪うのではないかと懸念していた。4月8日、UPSの株価は6%、フェデックスは8%上昇した。

サードパーティの販売業者向けサービスは、アマゾンにとって主要な成長のけん引役だ。2019年第4四半期におけるこうした業者の売上は、前年同期比で30%増加していた。

これは、アマゾン本体のオンラインストア売上の伸び率と比較して、2倍という急成長ぶりだ。全世界で見ても、アマゾンを通じて販売される商品のうち、数にして53%をサードパーティの業者が占めている(これらの数字は、2019年第4四半期の決算報告をもとにしている)。

アマゾンの物流サービスは着実に勢力を拡大しており、9000億ドル(約96兆8990億円)の規模を持つ米国の貨物輸送セクターの現状を覆しかねない脅威と捉えられている。

翻訳=長谷睦/ガリレオ

VOL.211

米国人の大半、コロナ流行ピーク越えても旅行...

VOL.213

医療従事者を守る「ウイルスを殺す」マスクカ...

PICK UP

あなたにおすすめ

合わせて読みたい