ビジネス

2020.04.18

美食の都パリで、世界酒SAKEづくり

WAKAZE

カラフルでスタイリッシュなボトルに、ラベルには英語表記の商品名。これはなんだと手に取る人も多いだろう。

「いい意味で日本酒らしくない、新時代のSAKE。先入観をもたない若い世代に気に入っていただいています」と語るのは稲川琢磨氏。ボストン・コンサルティング・グループから日本酒の世界へ飛び込んだ変わり種だ。

「あるとき、鮨屋で飲んだ日本酒が雷に打たれたようにおいしくて。日本酒を世界酒SAKEとして世界の食シーンをリードできる存在へ高めたいと考えるようになって、気づいたら会社設立に向けて動き出していました」

学生時代にはパリでエンジニアリングを学んでいた経験もあり、いつかはパリで日本酒をつくろうと考えた。

「ヨーロッパではワイン市場が縮小する代わりにSAKEの消費量が増えています。現地醸造することで過去の輸入日本酒の約半額で提供できると考えると、それだけで市場が100倍や1000倍に広がる感覚。さらにカマルグ米など地元の原材料を使用することでコストを抑えられると同時にストーリーも訴求でき、味わいもローカルニーズに合わせて商品を設計できます。そもそもパリでSAKEをつくるなんてロマンがあるじゃないですか。誰もやらないことをチャレンジし続けるところに、ぼくらの意義があると思っています」


パリに先駆けて立ち上げた「WAKAZE三軒茶屋醸造所」はわずか4.5坪の狭小酒蔵。パリ酒蔵は現在仕込みの準備段階。

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WAKAZE代表取締役社長 稲川琢磨

photographs by Kenta Yoshizawa text and edit by Miyako Akiyama

この記事は 「Forbes JAPAN 4月号」に掲載されています。 定期購読はこちら >>

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