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新澤醸造店杜氏 渡部七海

かつて杜氏は酒づくりの季節になると南部や越後、丹波などから集団でやってきて、造りが終わると帰郷する、いわば季節労働者が主流だった。

現在は蔵元が杜氏を兼任したり、チーム制で担当するなど、スタイルは多様化している。

その変化に伴い、いままで男の世界だと思われていた酒づくりに女性が参画し始め、料理にあう食中酒として人気の酒「伯楽星」を生みだす「新澤醸造店」の杜氏も女性だが……なんと現在24歳の渡部七海氏。※

「『新澤醸造店』は東日本の大震災で被災後、蔵を移転し、組織を再編成した経緯があるので、社長以下比較的若手が多い酒蔵ではあるのですが、それでも醸造チームで最年少の私が杜氏になるとは自分でも驚きました」

この大抜擢の理由を同社の杉原健太郎専務は「しっかりした醸造理論と、生来のものと思える利き酒の抜群のセンスによるもの」だと語る。


渡部氏が初めて“責任 仕込み"をした「あたごのまつ 鮮烈辛口」は「ブリュッセル国際コンクール」の「SAKE selection 2018」本醸造酒部門で、トップであるトロフィー酒に選ばれた。

「私のことを小娘だからと軽く見る人ですか? 近くにはいませんが、どこかにはいるかもしれません。でも、日本酒はどんなにベストを尽くしても果てのない世界。些末なことに気をとられず、お酒と(自分という)人間のレベルをあげていきたいです」

取材中は緊張していたのか、終始クールな表情だったが、大好きなアイドルの話題になった途端、24歳らしい姿をちらりとのぞかせ、周囲をほっと和ませた。


「伯楽星」の代表的なアイテムである「純米吟醸」と「純米大吟醸」。飲み飽きず、繊細ながら芯のあるおいしさはソムリエからの信頼も厚く、「アマン東京」でのハウス日本酒に選ばれている。

※全国最年少杜氏の表記について:2020年1月時点

photographs by Kenta Yoshizawa text and edit by Miyako Akiyama

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