テクノロジー

2020.05.05 13:00

テスラのユーザー体験。しばらく乗ってみてわかったその凄さ

テスラ・Model S

・これは空から降ってきたテスラと筆者の90日におよぶUX体験レポート
・テスラの体験はもはや自動車ではなく、スマートデバイス
・ミニマルな構成。それでもソフトウェアによる安心感があり、これの上にハードが成り立っている
・ただし、まだパーフェクトカーでないテスラ
・日本の物づくり企業も学べる部分が多くある

シリコンバレーに住んでいるとテスラを見かけない日はない。サンフランシスコ市内だと、至る所に路駐されている。数年前と比べると珍しさも薄くなった。そんな状況を象徴するかのように、テスラ社の時価総額もどんどん上昇し、アメリカの自動車会社の中では1位、世界規模でもVWを抜き、TOYOTAに次ぐ2位になっている。そして、決算を見てみると、黒字を計上するまでに成長しているのがわかる。

そんなこともあり、以前よりテスラの何がすごいかが気になっていた。普段はマニュアルの2人乗りスポーツカーに乗っていることもあり、正直自動車というプロダクトに対して、EVやオートパイロットなどの体験を求めてはいなかった。実際にテスラに乗り始めるまでは…。

ある日突然、空からテスラが降ってきた


これまでも、GetaroundなどのP2P型カーシェアサービスを利用して何度か運転したことがあったテスラであるが、今から数ヶ月前の出来事がきっかけで、よりじっくりと乗ることになった。

ある週末、シリコンバレーでVCをしている友人から連絡が来た。引越しを手伝ってほしいとのこと。ちなみにアメリカでは、比較的少ない荷物の場合は、業者ではなく友人を集めて引越し作業を行うことが一般的。今回はバイクの移動を頼まれた。アメリカではバイクを乗れる人の比率が多くないため、重宝してくれたのだ。

引越し当日、その友人から告げられた引越し先はシンガポール。今後はメインの拠点をシンガポールに移す予定で、しばらくはアジアとシリコンバレーの行き来をする。そして車はしばらくシリコンバレーに置いておくとのこと。ご存知の通り車は長い間放置しておくのは良くない説があり、であれば自分が預かることに。その車がテスラのModel Sだった。

こんな経緯で、予想外のタイミングでテスラと過ごす日々が始まった。


↑ トランクを押すとトランクが開くテスラのリモートキー
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文=Brandon K. Hill(CEO of btrax. inc)

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