テスラのユーザー体験。しばらく乗ってみてわかったその凄さ

テスラ・Model S


ロボットと一緒に生活する感覚


しばらくテスラと過ごしてみて感じるのは、まるで自分に忠実なロボットと生活しているのな感覚。アプリ1つで近寄ってきてくれるところなんかは、まるで生き物のような反応をしてくれるし、様々なことがパーソナライズされている。いつの間にか頼れる存在に感じ始めている。

もしかして、車が最も身近なロボットになるのかもしれない。一説によると、テスラの電子部品はTOYOTAやVWの6年先を行っているとのこと。(参考: Tesla teardown finds electronics 6 years ahead of Toyota and VW )

チャージステーションが生み出すエコシステム


もちろんテスラはEVなので、ガソリンスタンドではなく、チャージステーションで充電する。アメリカでは、ショッピングセンターの駐車場に専用の高速充電 (Super Charger) が設置されている。それでもMaxまで充電するのに、1時間半から2時間ほどかかるため、その間にショッピングに行く人も多い。

それにより、店舗にとっては富裕層客の獲得につながる。充電中はすることがないので、とりあえず買い物でも行くか、となる。ということは店舗側から見ても、テスラのチャージャーを設置することが1つの集客方法になる。これが日本だったら、パチンコ屋さんが設置すれば大儲かりするかも。


↑ ドキッ!テスラだらけのチャージステーション

トラブっても心理的ストレスが極端に排除される体験


実はテスラを預かって初日に故障した。何がどうなったかは謎だが、電源が入らなくなった。うんともすんとも言わなくなった。これもまたスマホっぽい故障状態。専用アプリから無料でレッカー車を呼ぶと、30分もしないうちに到着し、サービスセンターに運んでくれた。そこで状況を説明すると、代車をすぐに用意してくれた。それも最新型のModel Sで、直るまで好きなだけ乗ってて良いという。

最新の車両をずっと運転したくなり、正直、修理になるべく時間がかかって欲しいと思ったぐらい。結果的に、むしろストレスよりも喜びの多い体験となった。車が故障して喜ぶことはほぼないと思っていたが、テスラは違った。そのあたりの体験設計も上手に出来ている。


↑ トラブってもストレスを感じさせない体験を提供している
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文=Brandon K. Hill(CEO of btrax. inc)

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