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欧州連合(EU)の欧州食品安全機関(EFSA)は間もなく、一般消費者向けの食用昆虫販売を承認する見通しだ。この画期的な決断により、欧州諸国で初めて食用昆虫が大規模に販売されることとなり、食品産業には新たな機会が訪れる。

英紙ガーディアンの報道によると、この決断によりミルワームやその粉末、イナゴ、バッタ、コオロギが安全な食品としてみなされるようになり、早ければ秋にも欧州中で販売が開始される。

関連企業は長年にわたり、EU全域での承認獲得を目指してきた。英国やオランダ、ベルギー、デンマーク、フィンランドは、1997年以前に一般的に食されていなかった食品に対し「新規食品」としての認可取得を義務付けた同年のEU法について比較的寛容な立場を取っているため、スーパーでの食用昆虫販売が既に許可されている。英国などは、同法が食用の動物には適用されないと決めている。

ガーディアン紙によれば、昆虫を用いた食べ物は毎年500トンほど生産されているが、認可によってフランスやスペイン、イタリアなどでの販売に向けて大企業が昆虫食品を生産できるようになれば、この数は雪玉式に増える見通しだ。昆虫食大手には、オランダのProtifarm、フランスのMicronutris、スイスのEssento、スペインのEntogourmetがある。

国連は「Edible Insects(食べられる昆虫)」と題した報告書を2013年に発行して以来、今後世界の数十億人の食糧安全保障を確立する上でカギとなるものとして、昆虫食を奨励してきた。米誌ナショナル・ジオグラフィックによると、定期的に調理済みか生の昆虫を食べていた人の数は2013年当時、20億人だった。その数は現在、世界で25億人に達している。同誌は「一般大衆の間で昆虫食が気持ち悪いと思われているのは欧米諸国だけだ」と指摘している。

米紙ニューヨーク・タイムズによれば、欧州人や北米の開拓移民の間では環境的な要因から昆虫食の伝統がなかった。欧州には世界に存在する食用に適した昆虫のうちの約2%しか生息しておらず、赤道付近の熱帯地方で見つかる虫と比べるとサイズも小さく、採集する価値がない。

ミルワームからは、魚や肉と同等のタンパク質や各種ビタミン、ミネラルを得られる。バッタは牛赤身挽肉と同程度のタンパク質を含むが、1グラム当たりの脂肪の量ははるかに少ない。昆虫の飼育と採集は、牛の飼育よりも必要な土地が少なく効率的で、排出される温室効果ガスも少なく、環境に優しい。

編集=遠藤宗生

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