ビジネス

2020.04.14

新型コロナウイルスによる四重苦をどう乗り切るか、求められる「発想の転換」

和歌山発のベンチャー企業 glafit


会社の存在意義に立ち返って


冒頭で自身の窮状を述べてしまったが、今回の新型コロナウィルスでは、絶望の淵に立たされた。しかし、経営者のひとりとして、会社の存在意義に立ち返ったことで、思考の転換に至れたのだと考えている。私が考える会社の存在意義とは、「会社というものは、社会の役に立ってなんぼだ」ということ。

さて、フードデリバリーの件に戻るが、これは日本だけの話ではない。世界をみると、上海、ミラノ、ニューヨークなど複数の都市が都市そのものを閉鎖するというロックダウン状態にある。その状況で、人々が「食べる」という、生活にとってもっとも重要な行為を継続するために活躍しているのが、フードデリバリーである。悲しいことだが日本も感染が先行していたそれらの都市を追いかけ、同じ事情になってきた今、glafitバイクを通じてフードデリバリーに貢献できることによろこびを感じているとともに、立ち止まらず前に進んでいるという実感がわいてきた。私たちは試乗車、営業車、展示車、それら会社が所有している車両を全部引き上げて、今、必要としてくれる事業者がいれば無料貸与することに決めた。

売るということをあきらめたからこそ、私たちは前に進むことができた。依然経営は楽ではないが、難局を乗り切るための出口が見えてきたような気がしている。どうにもならないと思ったら、あきらめる前に、役に立てること、貢献できることを考えてみてはどうだろう。

みんなで助け合い、一丸となってこの困難を乗り越え、新型コロナウイルスが早期に収束することを切に願っている。

文=鳴海禎造

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