ビジネス

2020.04.15

新型コロナで企業は何を語るべきか。注目すべき世界のメッセージ8選

サムネイルデザイン=高田尚弥

新型コロナウイルスの猛威が止まらない。日本でも東京をはじめとした地域に緊急事態宣言が発令された。世界中が想定外の状況に陥っているとも言えるだろう。経済的な視点でも厳しくなることは、火を見ることよりも明らかである。すでに影響が出ている業界も多い。

しかし、こういう時だからこそと、ポジティブなステートメント(声明、宣言)を発信する企業やブランドに着目したい。正確に言えば、“顧客や消費者に刺さるメッセージを発信している”企業とも言うべきか。コロナショックで自社調整だけでも大変な時期にも関わらず、世の中を動かそうというステートメントを発信できるのは、顧客や消費者とのコミュニケーションを本気で考えている限られた企業しかない。代表例をみていこう。

大胆にロゴを「改変」して伝えたいこと


新型コロナウイルスの感染拡大のひとつの予防策として、一般化された言葉が「ソーシャルディスタンス(社会的距離)」。飛沫感染を防ぐためとして、スーパーのレジなどに並ぶ際には、一定距離をあけることが推奨されている。

アウディが公開した動画「Keep distance, stay together」では、人々が密集を避けることを表現するかのように、ブランドロゴである4つの輪「フォーシルバーリングス」がそれぞれ離れて独立していく。互いに距離をとるソーシャルディスタンスの重要性を表現しているのだ。4つの輪は再び重なり合うことで、「stay together(共にある)」とし、動画はまとめられている。

また、フォルクスワーゲンの動画「Thanks for keeping your social distance」でも、同社のマークにある「V」と「W」の文字を離して表現。両者とも大胆にロゴを改変しながら、ソーシャルディスタンスの重要性を発信している。



同様にロゴを「改変」してソーシャルディスタンスを訴えている例として、ファッションブランドZARAの例も挙げたい。ZARAは2019年にロゴのデザインを変更した際、文字同士の間隔を一気に縮め、文字同士が重なるような斬新なデザインにしたことで話題を呼んだ。

4月13日現在、ZARA公式オンラインショップを開くと、中央のロゴが動く仕様になっており、「ZARA」の文字同士の間隔がぐっと広がり、「RESPECTING SOCIAL DISTANCES」(社会的距離を尊重します)という一文が現れる。その後、文字同士は次第に近づき一部重なり合い、「BUT STAYING CLOSER THAN EVER」(でも、これまで以上に近くにいます)のメッセージに変わる。これもロゴの動きでブランドのメッセージを伝える好事例である。

zara コロナ
https://www.zara.com/jp/ より
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文=上沼祐樹、 サムネイルデザイン=高田尚弥

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