BENTLEY Bentley Continental GT
バック・トゥ・ベーシックという言葉がある。ファッション用語としてよく目にする。基本的な価値を見直そうということだ。
ベントレーにも似合う言葉だ。なにしろ、さまざまな“基本”がある。
ロングフードにショートデッキという均整のとれたプロポーションに始まり、大型の車体ゆえの重厚な乗り心地、太い低回転域のトルクで粛々と走らせる大排気量エンジン、細部に至るまで昔からのクラフツマンシップを感じさせる室内、といったものは、GTのルールブックのようだ。
ただしファッションはベーシックなスタイルに必ず“今”を加味する。それとも似ていて、コンチネンタルGTコンバーチブルには、最新の知見が盛り込まれている。
シャシーや足まわりやエンジンといったエンジニアリング技術が基本だとすると、そこに緻密な制御技術が加えられているのだ。
果たして、重厚だが軽やかな動き、乗り心地はいいがシャープなハンドリング、ゆっくり走って快適だがいざとなれば頭が真っ白になるような加速感、といった性能が実現している。
一言で言うと、高級セダンのようにも、高性能スポーツカーのようにも使えるGTなのだ。
網目のグリルを大型ヘッドランプがはさんだフロントマスクと、リアに向かって流麗に流れるようなシルエットも、このクルマならではの価値だ。
どんなファッションでも似合うのもいい。欧州では(実年齢はともかく)若々しいビジネスマンが通勤に使っていることもあるし、品のいいセーターに身を包んだ熟年夫婦が乗っていることもある。
クルマが乗るひとを規定するのではなく、自由な価値観のひとに選ばれるクルマといっていい。
コンバーチブルなら、周囲の空気で気分を爽快にしてくれるという、もうひとつの“性能”をもつ。これも大きな魅力だ。