会場は小学校の体育館のような所に、一人ずつ順番に入場していく。人が密集しないように一人ずつしか入らないように皆が暗黙の了解として行動する。働いている方を守るために大切なことだ。
入り口に係員などいなくても、ソーシャルディスタンス、つまり人との距離を約180cmあけることは既にニューヨーカーの身に染み付きつつある。
中に入ると、係りの人が一人だけ立っていた。係りの人は長テーブルの反対側に立っているので十分の距離があいている。
長テーブルの上には大きな保冷ケースが置かれており、その係りの人に好きな牛乳の種類やサンドイッチを伝えると、ビニール袋に入った食事を渡してくれる。
無駄な接触が行われないように配慮されていた。牛乳は普通のミルクかチョコレート味か選べたり、サンドイッチはピーナッツバターサンドか、チーズサンドか選ぶこともできた。
(画像:Coronavirus in NY: How hungry residents can get free meals daily)
食事の内容は、牛乳とチーズサンドイッチ、摩り下ろしりんご、リンゴジュース、ビーンズなど。食事や飲み物は保冷ボックスで冷やされていたので美味しかった。
毎日メニューが少し変わるので、毎日の楽しみが増えた。この国にとって外国人である僕でもこうやって配給が受けられることが本当にありがたい。
(画像提供:Ryuma Matsuzaka 2020年4月10日撮影、クイーンズ・リッジウッド)
ちなみに、朝食と昼食の献立はネットに掲示されているので事前に確認可能だ。感染者や死者数で悲しいニュースが続くニューヨークだが、困難なときこそ協力し合うニューヨーカーの姿はとても心があたたかくなる。
先日、このニューヨークの3食を配給するニュースをツイッターにあげた所、多くの日本人から賛同の声が集まった。それと同時に、“人が集まるので感染拡大になる”や、“外出する人が増えそう”、“ロックダウンの意味がない” などと一部批判的な声も届いた。
しかし、新型コロナウイルスの影響で多くのビジネスが停止し、失業者が増えている昨今、この3食の配給が多くのニューヨーカーの生活を支えており、同時に感染防止のためにルールを守られていることをこの記事で知ってもらえたら幸いだ。