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2020.04.16 14:30

新型コロナウイルス感染拡大が日本人の消費行動に及ぼす影響


外出を伴う買い物行動が減り、まとめ買いやインターネットショッピングが増加


新型コロナウイルス感染拡大後、旅行等の不要不急の外出については自粛が求められているため関連消費の低迷につながっているが、食料品・日用雑貨等の生活必需品については新型コロナウイルス感染拡大後に支出額が増えているようである(図3)。



生活必需品をお店で買うことについては、「以前よりも減った」(22%)が「以前よりも増えた」(5%)を大きく上回っており、外出頻度の減少および1回の買い物におけるまとめ買い傾向がうかがえる。また、生活必需品のインターネットでの購入については、「以前よりも増えた」(10%)が「以前よりも減った」(5%)より多く、外出を控える代わりにインターネットによる購入機会もわずかではあるが増えたことが確認できた(図4)。



なお別の設問の回答を見ると、本調査実施時点(2020年3月20日前後)で、「外出を控えるようになった」という人は全体の48.1%とほぼ半数程度の水準であった(図5)。



2つの生活防衛傾向:生活必需品の備蓄と支出全体の差し控え


今後1カ月で積極的にお金を使いたいもの、消費を控えたいものについてもある程度予想通りの結果がでた。生活必需品の支出が増えた人に限ってみると、今後積極的にお金を使いたいものとして「食料品」(73%)「飲料品」(45%)「医薬品、薬」(24%)が高く、生活必需品や医薬品を備蓄することで生活を防衛しようという意向が見て取れる。

反対に、生活必需品の支出を減らした人に限ってみると、今後さらに消費を控えたいものとして「外食」(37%)「外出用の衣類・ファッション」(32%)「旅行費用」(28%)「人とのつきあい・交際費」(26%)が高く、生活必需品だけでなく非生活必需品についても支出を減らそうというもう1つの生活防衛意向が見て取れる(図6)。

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外食頻度については、新型コロナウイルス感染拡大後に「以前より利用しなくなった」人が35%を占めていて、外食への需要が低下していることは想定通りだったが、食事の宅配サービスについては、少なくとも本調査時点では顕著な増加は見られなかった。いまのところ食事の宅配サービス利用にはそこまで結びついておらず、食料品のまとめ買いによる自炊傾向が高まっていることが推察される(図7)。

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