英紙デーリー・テレグラフによると、同財団はマルチメディアを通した教育やウェブサイト、「感情面の支援グループ」といった活動を行う予定だ。ヘンリー王子がメンタルヘルス問題に大きな関心を寄せていることは良く知られている。
王子夫妻は財団名について、ギリシャ語で「行動の根源」を意味する「arche」を基にしており、この言葉は長男アーチーちゃんの名前の由来にもなったと説明。一方で、現在注力しているのは新型コロナウイルス流行の抑制に向けた取り組みへの支援だと述べている。
この財団の活動開始については多くの人が期待を持っており、夫妻による新型コロナウイルス対策支援は歓迎すべきことだ。しかし、より大きな視点でみると、財団設立をもってしても解決できない課題として、夫妻が抱える膨大な経済的問題がある。まずは、巨額の警備費だ。トランプ大統領は先日、米国は夫妻の警備費を一銭も負担するつもりがないと宣言。これにより、夫妻が3月にカリフォニア州ロサンゼルス近郊にひっそりと移住していたといううわさが裏付けられた。
また、大きな疑問の一つとして、ヘンリー王子がこれから何をするのかがある。これまで多くの新婚男性が妻の出身地に移り住み、意義のある仕事を見つけようとしてきた。ロサンゼルスとそのエンターテインメント業界がメーガン妃を強く引き付けてきたことははっきりしている。マークルがナレーションを務めたディズニーのドキュメンタリー映画もこのほど公開された。
しかし、ケンジントン宮殿からカナダを経てロス近郊の賃貸邸宅へと移り住んだヘンリー王子の旅は、ジェットコースターのように目まぐるしいものだった。夫妻がサセックス・ロイヤルのインスタグラムアカウントで1月上旬、誰もが予測していなかった王室離脱を電撃発表して以降、英国人の多くはいまだにヘンリー王子が主要王族の地位を離れたことをのみ込めずにいる。英国人は王子を35年間にわたり見守り、そのやんちゃな振る舞いを多かれ少なかれ楽しんできた。自らの道を歩むことを選んだヘンリー王子の決断は、今でも理解に苦しむことなのだ。