トランプがコロナ対応で批判したWHO 資金提供が多い国は?

Abdulhamid Hosbas/Anadolu Agency via Getty Images

米政府が、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)初期に対策を講じなかったことがますます厳しい目にさらされるようになっている。トランプ大統領は、先日行われた記者会見で非難の矛先を世界保健機関(WHO)に向けようとした。

トランプ大統領はこれまで、今回の危機的事態の大きさに対する自らの責任を全て否定し続け、既にオバマ前政権や中国、メディアを批判している。WHOは1月から同ウイルスについて警鐘を鳴らしていたにもかかわらず、トランプ政権は同組織が判断を誤り「中国に偏った」見方をしたと批判した。

WHOが、新型コロナウイルスによる感染症を公衆衛生上の危機と宣言したのは1月30日だ。一方、トランプ大統領のピーター・ナバロ大統領補佐官(通商担当)は、1月29日付けの覚書で、この新興ウイルスが数百万人もの米国人にとってリスクとなり、数兆ドル(数百兆円)の損失が生じる可能性があると警告していた。

それにもかかわらず、大統領は先日「WHOは判断ミスをした。数カ月前に危機宣言を出しておくことができたはずだ」と述べた。それからトランプはWHOに対する米国の資金拠出に言及し、「WHOに費やす資金を止める」と述べ、「米国は拠出金を非常に強く差し止める。そうして、どうなるか見るつもりだ」と続けた。

しかし、パンデミック(世界的流行)の最中にWHOへの拠出を差し控えることが正しい決断なのかと尋ねられると、トランプはその発言を撤回したように見えた。「いや、おそらくそうではない」と述べ、「そうするとは言っていないが、その選択肢を考慮する」と付け加えた。

それでは、各国はWHOへどれほどの金額を拠出しているのだろうか? WHOへの支払いには、分担金と任意の拠出金の2種類がある。1つ目は、各国がWHOの加盟国として支払う必要があるもので、総額は各国の資産と人口に応じて計算される。2つ目は、その名前が示すように自発的なもので、高額な分担金を払う加盟国が支払うことが奨励されている。

トランプ政権は2月に行われた最新の予算案で、WHOへの米国の出資を約1億2260万ドル(約133億円)から、分担金の約5790万ドル(約62億7000万円)まで減らすことを要請した。

予算が削減された後も、米国の拠出額はWHO加盟国の中で断然トップだ。2番目の中国は約2870万ドル(約31億1000万円)で、次の日本は約2050万ドル(約22億2000万円)だ。1月1日に請求され、今年支払われるべき分担金の総額は約2億4680万ドル(約267億円)となっており、そのうち約7900万ドル(約86億円)は3月31日時点で、既に加盟国により支払われている。

翻訳・編集=出田静

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