──新型コロナウイルスの対策として、ロックダウンが有効だとされていますが、経済的ダメージが非常に大きいです。ロックダウンのほかに、ICTを使って感染の疑いがある人を隔離し、感染を押さえ込んで経済活動を続けている国もありますが、プライバシー侵害の懸念があります。どのような対策が一番いいのでしょうか。
民主主義国家としてプライバシーを守りつつ、感染を抑えながら経済活動を維持できるのがいいと思いますが、まだ明確な答えはありません。諸外国もロックダウンで押さえ込んだはいいが、どう解除すればいいのかは大きな課題です。
15万人以上が感染したイタリアでは、今も200m以上の散歩を禁止するなどの規制が続いており、今後の対策についても困難を抱えています。死亡者数が一時的に減少したスペインでも、また上昇傾向に転じたという報告があります。
ワクチンが開発される前に集団免疫の獲得を期待することは、現時点ではリスクが高い対策です。
一般人口に抗体検査を行ったオーストリアでは、新型コロナウイルスに対して抗体を持つ人達は1%未満でした。また、中国・復旦大学の研究で、回復した人の1/3は抗体レベルが低いという報告もあります。
新型コロナウイルスは何回もかかる可能性があるのです。抗体レベルが低い人が多いかもしれないし、いつまで抗体が持続するのかもわからない。さらに抗体検査は精度の改善が必要です。