新時代のラグジュアリーに、新たな定義を──マクラーレン

MCLAREN McLaren GT

モノ消費からコト消費へと、時代が求める概念とマッチするのが、GT(グランド・ツーリング)という概念だ。クルマで長距離を移動し、旅の目的地でのレジャーだけでなく、クラス感のある移動を愉しむためにクルマを使う。荷物も詰めるGTカーを持っているから移動したくなる。5G環境での自動運転や渋滞予測といった技術もGTの普及の後押しとなる。


MCLAREN McLaren GT

ビジネスの世界では、ひとと違うやりかたで目的を果たすことをよしとするひとたちがいる。クルマでいえば、GTカー選びと似ているかもしれない。スピードと、自分流のやり方こそ、核にある価値だからだ。

もっともオリジナリティーの高いGTカーといえば、英マクラーレンが2019年5月に発表した、その名もずばり「GT」だろう。
 
そもそもレーシングドライバーが設立したチームとしてスタートしたマクラーレン。オーナーのブルース・マクラーレンは、スポーツカーを市販したいという夢を抱きながら、テスト中の事故で他界してしまった。
 
その遺志は、しかし、引き継がれた。いまや、革新的なメカニズムと、大胆なスタイリングと、希少価値を生む生産台数でもって、スポーツカーとGTカーのマーケットで、大きな存在感を発揮するまでとなった。

GTのみるべき点は、高性能と機能性をバランスさせているところだ。620英馬力(456kW)を発生する3994ccV型8気筒エンジンで後輪を駆動し、加速性能は静止から時速100kmに達するまで、わずか3.2秒。

インテリアは「航空機にヒントを得て高速でも読みやすいディスプレーを採用」とメーカーが説明するように、ここも機能と独自の美意識がうまく組み合わされている。シートはナッパレザー、合成スエードのアルカンターラ、それにカシミア素材と選べる。肌に気持ちのよいウールはいまクルマの世界で最も旬の素材だ。
 
GTなので旅行や趣味で使われることが前提となっている。リアの荷室はゴルフバッグも収納可能だ。このクルマで1泊2日、好きなゴルフ場へと足を延ばすなどというのはどうだろう。
 
グランドツーリングとはそもそも英国の子女が知見を増やすために欧州の文化遺産の勉強に出かけたことをいうとか。あらゆる点で新しいマクラーレンGTには知的興奮も詰まっている。

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マクラーレンにおける新カテゴリーであるGT。カーボンモノコックがもたらす軽量で光合成な性能の高さを、快適なドライビングというかたちで提案する。

この記事は 「Forbes JAPAN 2月号」に掲載されています。 定期購読はこちら >>

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