マツダか、キアか。今年の「世界最優秀車賞」の行方は?

マツダ3


トップファイナリストとして残ったマツダ3の質感や居住性はテルライドほど高い点数は得られなかった。マツダの走りや質感は各方面で好意的なコメントが出たのに対して、初めて実用化したスカイアクティブXのエンジン技術について、選考委員の間では賛否両論だったことが、最終的な結果につながった。

本賞では惜しい結果になったマツダだが、広島本社を轟かせた輝かしいタイトルも得た。ワールド・カー・デザイン賞で、ポルシェ・タイカンを抑えて受賞したのだ。マツダ独自の斬新なスタイリングが非常に高く評価された。

マツダの丸本明社長はその勝利について次のようにコメントした。

「マツダ創業100周年の節目の年に、2020年ワールド・カー・デザイン賞を受賞できたことを大変光栄に思います。これからもマツダは独自性にあふた商品・デザイン・技術・ 顧客体験をお届けし続けてまいります」


さて、キアにとって、今回のアワードは衝撃的だった。本賞を初めて受賞しただけではなく、なんと小型車部門のワールド・アーバン・カー賞をソールEVという電気自動車が獲得した。その走りは素晴らしく、低価格で、しかも航続距離は400km以上だったところが高く評価された。

ポルシェ初のEV「タイカン」も大健闘した。今までの電気自動車の概念を塗り替える同車は、昨年ロサンゼルスで試乗した50人の選考委員が、そのロケット並みの加速性、911並の走り、パナメーラ並みの高級感、そして米国EPA局が評価した325kmの航続距離などをベタ褒め。ワールド・カー・パフォーマンス賞とワールド・カー・ラグジュアリー賞のダブル受賞に輝いた。

残念なのは、どの受賞についても新型コロナのパンデミックが終わるまでお祝いができないこと。皆様、今大変な事態になっているが、どうぞご自愛ください。


ポルシェ・タイカン

国際モータージャーナリスト、ピーター・ライオンが語るクルマの話
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文=ピーター・ライオン

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