世界一使われているEmoji、第1位は「笑い泣き」

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今や世界で使われているEmoji(絵文字)。1999年、当時ドコモに所属していた栗田穣崇が開発した。

SNS分析企業〈ブランドウォッチ〉は、ツイッターに投稿された60億あまりの絵文字を2年にわたって収集し、昨年、調査結果を発表した(ちなみに2位と3位は「号泣」と「目がハート」)。

1カ月に世界で2億5000万個


絵文字の使用はひと月あたり2億5000万以上で、10年前から爆発的に増えている。絵文字は現代の象形文字であり、文化の違いや国境を軽々と飛び越えるユニバーサルな視覚言語になるだろうと主張する専門家もいる。

調査報告は「絵文字はいずれ、地球上の誰とでもコミュニケーションできる唯一無二の言語として定着する。従来の文章に代わって、対話の文脈を伝達する手段になるだろう」と大胆に結論づけている。

もしもそうなれば大したものだが、問題がないわけではない。

世界中に広まるうちに絵文字の使い方はどんどん高度化し、前後関係によって意味が変わってしまうようになった。そう、曖昧になったのだ。2019年7月17日には「世界絵文字デー」の6周年が盛大に祝われ、絵文字の数も、使う人も、使われる状況も増えつづけている。かつては笑った顔や親指を立てた手などのわかりやすい絵文字だけだったが、今ではその数が数千種類にのぼっている。どこの国のどんな人でも一目で解読できたはずの「世界共通語」は、メッキが剥がれてきた。

開発者は日本人、栗田穣崇


絵文字のルーツは顔文字にある。キーボード入力しかなかった1990年代以前、文面に感情を込めるにはあれこれと工夫しなければならず、文字や数字、記号を組み合わせて様々な顔を表現した。Eメールにはたくさんの顔文字が使われていたものだ。

冒頭に記述したが、現在のような絵文字が登場するのは1999年のことで、開発したのは当時ドコモに所属していた栗田穣崇。純粋な絵による情報伝達を目指していた。世界初となった176種類の絵文字にはハートや自動車、雪だるまなどがあり、表情の絵文字は目と口だけの単純なものだった。


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絵文字はじわじわと海外にも広まり、人気が高まっていく。その広がりに目をつけたグーグルは、世界中のあらゆる言語の文字や記号、符号をデジタルディスプレー用に標準化しようとしている国際非営利団体のUnicodeコンソーシアムに絵文字の採用を働きかけた。それでデバイスの種類にかかわらず確実に絵文字が表示できるようになり、普及スピードはさらに上がった。Unicode規格に収録、定義される絵文字は、ユーザーからの提案に応じて今も継続的に追加、更新されている。
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翻訳・編集=門脇弘典/S.K.Y.パブリッシング

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