小売業者が、高まる需要を満たすための従業員の追加採用に苦労する中、ロボットの活用が増えるかもしれない。シンベ・ロボティクス(Simbe Robotics)の共同創業者であるブラッド・ボゴリア最高経営責任者(CEO)は、取材でさらに情報を共有してくれた。
シンベ・ロボティクスの自律性棚スキャンロボット「タリー(Tally)」は、米スーパーマーケットチェーンのシュナックス・マーケット(Schnucks Markets)やジャイアント・イーグル(Giant Eagle)の店舗で使用されてきた。メンテナンスがいらないこのロボットは40以上のセンサーを装着し、商品棚のスキャンのために障害物を避けて床を移動することができる。
タリーはカメラやコンピュータービジョン、機械学習を活用して、1時間に1万5000~3万点の商品の在庫検査を行うことができる。また同機は、価格や商品の置き場所、在庫、特別な販売促進活動を特定することができる。
「タリーは戦略的・自律的に店舗の通路を行き来し、静かに商品棚をスキャンして、なくなっているものや間違った場所に置かれているもの、価格が間違っているものを特定する。タリーが商品棚の状態について収集するデータにより、退屈で嫌がられることが多い在庫確認の業務が自動化され、人間の労働者には店舗で顧客にサービス提供する時間が作り出され、買い物客の体験が改善され、店舗チームの役に立つ」(ボゴリア)
店舗はタリーが収集したデータをリアルタイムで活用し、棚の商品を最適化することができる。これにより、動向を分析しつつ、情報に基づいたより効果的な発注や商品配置の決定を下すことができる。データはまた、より良いビジネスの決断を下せるよう、小売業者の消費者向け包装商品(CPG)ブランドのパートナー企業とも共有できる。
ボゴリアは次のように補足した。
「新型コロナウイルスが流行する中、店内の製品だけでなく、米国中の販売従業員に対する需要が前例がないほど延びている。当社のパートナー企業は、高齢者やその他リスクにさらされるコミュニティーが混んでいない店舗で買い物できるよう業務を調整し、店舗在庫補充・消毒のための十分な時間を店舗チームに与え、より柔軟な店舗にすることで対応してきた。一部の店舗はタリーの走行時間を変更することで、調整された開店時間を最も効果的にサポートできるようにしている」