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2020.04.12 06:30

コロナ危機がもたらす、米ドラッグストア業界への影響

Photo by Neal Waters/Anadolu Agency via Getty Images

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新型コロナウイルスの感染拡大により、各都市がロックダウンされている米国。「処方薬の買いだめ」が発生した結果、ドラッグストア・チェーン最大手のウォルグリーンズ(Walgreens)は、少なくとも一時的には痛手を受けているようだ。

ウォルグリーンズは3月最終週、「ロックダウンされた地域を中心に、いまは売上が落ちている」と発表した。売上が落ち込む前の3月には、3週間にわたって販売が好調だった。全米各地で新型コロナウイルスの感染が広がるなか、健康食品やウェルネス、食品を含む複数の商品カテゴリーで売上が伸びたためだ。

ウォルグリーンズ・ブーツ・アライアンス(Walgreens Boots Alliance)の副社長でグローバルCFO(最高財務責任者)を務めるジェイムズ・キーホー(James Kehoe)は4月2日、アナリストに対して、「3月は、2つの時期にはっきりと分かれた」と述べた。

「3月はじめから21日までは、既存店ベースの売上が26%伸びた」とキーホーは述べた。「しかし、3月21日以降は既存店ベースの売上がマイナスに転じ、3月最終週は10%半ばほどの減少率となった。言うまでもないが、こうした傾向が長期にわたって続けば、3月21日までの売上増加分は、すぐに帳消しされるだろう」

ウォルグリーンズの動向を追跡するアナリストによれば、医療保険会社と薬剤給付管理会社(PBM:患者、製薬企業、薬局、医療機関などのあいだに立って医薬品のコストや給付管理の適正化を行う企業)の動きによって、処方薬の買いだめが発生したようだ。

公衆衛生危機のなか、医療保険会社各社は、患者にかかる医療費の自己負担分や、処方箋から新型コロナウイルスの影響による治療・入院にいたるさまざまな関連費用について請求を放棄することで、保険加入者が医療を受けやすくなるようにしている。

米国みずほ証券のアナリストであるアン・ハインズ(Ann Hynes)は、ウォルグリーンズが第2四半期決算を発表したことを受けたリポートで、「過去2週間、処方薬の売上が低迷した原因は、3月はじめに処方薬の買いだめがなされたからと考えている。その背景には、人々が毎月の処方薬をペナルティなしで早期に受け取れることを、保険会社が認めたことがある」と述べている。

しかし、こうした状況は長く続かないかもしれない。

「こうした傾向はゆくゆくは落ち着くと私たちは見ている。患者が通常の治療を受けているのであれば、その行動が根本的に変わるとは考えていない」とハインズは述べる。「短期的なリスクとして可能性があるのは、患者の通院回数が減ることで、新しい処方箋が発行されなくなることだ」
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翻訳=遠藤康子/ガリレオ

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